春の女王決定戦「ヴィクトリアマイル」がいよいよ開催。過去の傾向から伏兵の台頭にも十分な注意が必要だが、一時代を築いた名牝を多く輩出してきた一戦でもある。現役牝馬の最強クラスが揃った一戦なだけに、強い牝馬の見極めは最重要。
今年のメンバーで断然の主役は昨年のマイルCSの覇者・ナミュールだ。
初の京都で急遽の乗り替わり、さらに紅一点という厳しい条件ながら、後方追走から最後の直線で馬群を割って末脚を伸ばし、鮮やかな差し切り勝ちを果たした。その後は暮れの香港マイルでも3着、今年初戦の前走ドバイターフでも2着と、海外G1戦線でも活躍。実績ある東京マイルに戻り、牝馬同士の戦いとなるここは抜けた存在と言える。
能力・実績に全く不安はなく、今回は帰国後初戦ということで状態面が最大の懸念材料となりそうだ。4月上旬にドバイから帰国し、先週2日に栗東に帰厩したばかり。トレセンでの滞在日数が少なく、限られた期間の中で調整を強いられた点がどう出るか。
昨年香港へ遠征した時よりも状態は良いと高野調教師からコメントが出ており、陣営のトーンは高めだが、実際のところはどうだろうか。1週前は栗東坂路を単走で追われ、しまい重点に追われて4F53.9-1F11.9をマーク。もともと速い時計を出してくるタイプではなく、むしろこの馬としては出ている方だ。こなしている本数が少ないのは気がかりだが、しがらきである程度は仕上げていると思われる。帰国初戦だが今は充実著しく、陣営が見せている高い自信度からも、好状態で臨める可能性は高いと見ても良さそうだ。
ほぼぶっつけ本番となる中で本来の力を発揮できるかどうか、しっかりと見極めたいところだ。