今年の凱旋門賞には5頭の日本馬が登録したが、先月末にキセキが同競走を回避する方向であることが発表され、クリンチャー(牡4、宮本博厩舎)以外の4頭が回避となった。最終的に今年の凱旋門賞はクリンチャーの1頭のみの参戦となりそうだ。
クリンチャーの帯同馬には同じ宮本厩舎のゲネラルプローベ(牡6)が決定した。帯同馬(たいどうば)とは、その名の通り競走馬に帯同する競走馬のことを言う。遠征などでは馬は慣れない土地に行くと寂しがる習性を持っており、帯同馬と共に遠征することでそれを緩和させる効果がある。役割としては、現地での調教相手や、一緒にレースに出走し走りをサポートするといったことがある。現時点(12日)ではゲネラルプローベが現地のフランスでレースに出走する予定はない。
通常、帯同馬は気性が大人しく、輸送慣れしている馬が選ばれることが多い。ゲネラルプローベは未勝利馬で、芝やダート、障害など多くのレースを経験しており、また、輸送も多く経験している。レースぶりを見る限り素直な気性で、障害戦にも出走できる気性なら問題はないだろう。
昨年の凱旋門賞に出走したサトノダイヤモンドには、サトノノブレスが帯同馬としてレースにも参戦した。しかし、前哨戦のフォワ賞ではラビット役のサトノノブレスが先頭に立つのに手間取り、一時はサトノダイヤモンドが隊列を引っ張る形になってしまった。その後はサトノノブレスが先頭に立ったものの、結局サトノノブレスのアシストも空しく6頭中4着に完敗した。
本番の凱旋門賞でも上手く噛み合わず、サトノダイヤモンド15着、サトノノブレス16着と惨敗で終わってしまった。一緒にレースに出るとなると陣営の支持もシビアになり、帯同馬としての役割はさらに重要になってくる。今年のゲネラルプローベはあくまで裏方としてサポートに徹する方向のようだが、昨年の苦い記憶を払拭するためにも、今年こそは日本競馬悲願の凱旋門賞制覇を果たしてもらいたい。