何と言っても主役は皐月賞馬のジャスティンミラノ。無敗で二冠達成となるかに注目と期待が集まる1頭だ。
前走の皐月賞は過去に経験していない超ハイペースを難なくこなし、従来のコースレコードを0秒7も更新する1分57秒1の好時計で快勝。世代屈指の力を示した。
能力については疑う余地が無いが、一抹の不安は激走後の反動だ。超高速馬場を前半1000mの通過タイム57秒5という激ペースで走ったあとはさすがに疑わざるを得ないだろう。1週前の追い切りではCWコースで7F98.1-4F51.7-1F11.3と普段通りの時計は出しており、3頭併せで1頭と併入、1頭にアタマ差遅れてゴール。先行した相手に遅れたのはやや気がかりも、皐月賞時の時計とほぼ同じタイムで追われており、特段割り引くところはない。最終追いは4F54.2-1F12.1と時計は控え目なソフト仕上げだが、当週はサッと流すのが厩舎の調整パターンであり、予定通りと言えば予定通りだ。
皐月賞で3着だったジャンタルマンタルが中2週でNHKマイルCを快勝したことで皐月賞レコード決着の反動の懸念は払拭されたという声もあり、大きく不安視する必要はないと判断するファンも少なくないだろう。とは言え、前走後に担当の山田助手が「許容範囲の疲れかなと思います」とコメントしている点や、追い切りの内容から、状態面についてはギリギリの所で踏みとどまっているといった印象も受ける。栗東から2回の長距離輸送を考えると最後まで気は抜けず、やはりパドックや返し馬を見て慎重に見極めたいところだ。
過去の無敗の皐月賞馬の成績を見ると、2010年以降はサートゥルナーリア(4着)、コントレイル(1着)、エフフォーリア(2着)、ソールオリエンス(2着)と勝ちきれていないジンクスもあるだけに、絶対的な信頼度を置くには少々危険かもしれないということは覚えておきたい。