東京競馬の日曜メインは秋の大舞台を目指す馬が集結する「エプソムカップ」が開催。
1800mで3連勝を果たしているジェイパームスや、ダービーとジャパンCで3着の実績があるヴェルトライゼンデなど、中距離路線で活躍している素質馬が揃いましたが、期待度の高い素質馬として今回最大の注目を集めるのは、新潟大賞典・11着から巻き返しを狙うレーベンスティールだ。
秋初戦のセントライト記念を圧勝している実績から前走の新潟大賞典では1番人気に推されたが、レース前からイレ込みが激しく、スタート後にもトモを落とすなど、終始スムーズさを欠いて全く力を発揮できなかった。2走前の香港ヴァーズ・8着に続く2戦連続の敗退で人気を裏切っており、ここでも人気を集めるようなら“危険な人気馬”と捉えることもできそうだ。
競馬メディアや専門誌の前評判を見ると人気はまだまだ集めそうな気配があり、巻き返しに期待するファンはかなり多そうだ。というのも、凡走した2走は根幹距離であり、非根幹距離なら連対率は100%と崩れていない。
香港ヴァーズは距離や馬場が合わなかったのか早々に沈み、レース後には「コンディションが整っていなかったのか、競馬を走るという意味では足りない」と田中調教師がコメントしており、状態面が整っていなかったことを明かしている。そして前走の新潟大賞典は休養明け、海外帰り初戦、初の古馬斤量による大幅荷重と言う三重苦にやられてしまった印象。レースも馬券圏内に好走した馬が内の前を走った馬であり、控えて終始外をまわったレーベンスティールにとっては厳しい展開であった。
安易に度外視して良いとは言い難いが、それらしい敗因もあるだけに見限るのも早計に思える。状態面については5ヶ月の休養を叩いて上積みはありそうで、実際先週の1週前の追い切りでは美浦のWコースで6F79.7-1F11.1の好時計をマークして自己ベストを更新。折り合いに重点を置いた内容ながらこの時計なら調子は上がってきていると見ても言いだろう。皐月賞馬ソールオリエンスを破った昨年セントライト記念時の走りを取り戻せば、チャンスは十分にありそうだ。
気性の問題を抱えながら斤量59kgを背負ってと不安材料は多い1頭だが、本来のパフォーマンスを発揮できさえすれば、勝ち負けの期待は十分あると考える。