春の東京開催を締めくくるのは1800mのG3「エプソムカップ」。今年はメイSを逃げて3着に粘ったシルトホルンや小倉大賞典で3着に逃げ粘ったセルバーグなど、逃げ馬候補が多数。先行馬も手薄ながら揃っている。
枠を見ると、シルトホルンは10番、グランスラムアスクが12番、ラケマーダ13番と比較的真ん中枠に速い馬が揃った印象。大外18番を引いてしまったセルバーグにとっては厳しい並びとなっており、内枠勢もある程度主張しなくては前に入られて良い位置を取りにくくなりそうだ。
枠が決まるまではセルバーグの単騎逃げも視野に入れて馬券を組み立てたかったが、この並びでは割り引きたくなる。シルトホルン陣営もハナを切りたいという意思を示しており、鞍上も逃げの手をよく打つ吉田豊騎手ということで、どの馬がハナを切っていくのかの予想は困難を極める。
東京競馬場は今週がCコース3週目で、外からの差しも決まるようになってきている。このメンバーでこの枠の並びなら後方から進める馬から狙っていくのが正解か。
となれば狙いたいのは、春興S・1着から参戦するサイルーンだ。前残りの流れを上がり3F最速33秒5の脚で差し切り勝ちを果たしており、2走前の2勝クラスも中団追走から上がり最速34秒8の脚で差し切り勝ちを達成した。上がりは安定して出せるタイプで、決め手は上位。
使える脚はそこまで長いというわけではないのでどちらかと言えば中山向きなタイプにも思えるが、東京コースは【2-3-0-1】と安定しており、東京1800mに限って見ても【1-1-0-1】と適性は十分に見せている。展開の手助けがあればさらに信頼度は上がりそうと見ていたが、この条件ながら展開は同馬に向く可能性十分あるだろう。
昨年秋の初め頃までは凡走続きだったが、11月の2勝クラスから2着、2着、1着、1着と安定した末脚で上位争いを演じており、本格化を印象付けている。1週前の追い切りではラスト2F11.6-10.9の圧巻の切れ味を見せており、切れ味は健在。今回は待望の重賞初挑戦となるが、今の勢いならいきなり通用してもいい。
実績だけなら人気はそこまでな気もするが、好条件が揃ったここは意外と人気を集めそうな気配もあり、激走に期待するファンも少なくなさそうだ。