競馬はロマンとよく言うように、私達に数多くのドラマを与えてくれます。今週の函館2歳ステークスに出走を予定しているホールドユアハンドは、この血統が芝で果たして通用するのか?と楽しみにさせてくれる逸材です。
父エスポワールシチーは競馬ファンならご存知の通り生粋のダート馬です。母も兄、姉もダートを主戦場にしており、ホールドユアハンドも血統に従い新馬戦はダートを選択。4番人気での出走でしたがスタートからハナを切り2着に4馬身の差をつけデビューを圧勝で飾り、このまま行けば出世も見込めるだろうと思わせるに十分な逃走劇でした。
ところがここで芝への方向転換を図りました。この時期にダートのオープンがJRAで組まれていないということもありますが、この時期のメンバーなら相手も手薄と踏んだか、レースに使った手応えから芝でもやれると感じたか、今回は津村騎手からルメール騎手へと乗り替わって登録してきました。
前走1着からの参戦馬ばかりになる上、2歳戦最初の重賞ということで戦績面での差異は見出し難く、データから読み取れる材料は少ないですが、過去10年3着以内に入った馬はいずれも前走で芝を使っている馬と、ホールドユアハンドにとっては向かい風となるデータが出ています。
ダートからの転身組は素直に買える条件ではありませんが、データに裏付けされるとなればまっさきに切るべきと思われるかもしれませんが、注目は管理している美浦の新人、田中博康調教師。ジョッキー時代に大波乱を演出したエリザベス女王杯のクィーンスプマンテに想起されるように、穴こそタナパクと考えると今回は面白い選択となるかもしれません。
鞍上ルメール騎手ということで人気を背負う可能性もありますが、前走で見せたホールドユアハンド自身の能力からも、配当次第で狙っていきたい一頭です。