今年は7月7日七夕当日に行われる「七夕賞」。今年の主役候補は5歳を迎えて本格化してきたキングズパレスが最有力と言えそうだ。
2走前の美浦Sは中団追走から4コーナーで外をまわっていき、直線は追い比べで抜け出してクビ差で差し切って快勝。前走の新潟大賞典では中団後ろ目で折り合いに専念し、馬場の良い外目から追走。直線はラスト3Fを過ぎてから追い出されながらも、上がり3Fはメンバー2位の33秒6の末脚を繰り出して勝ち馬にハナ差まで迫って2着でゴールした。
1000m61秒6という緩い流れの中で中団からここまで追い込めたのも評価できる点だが、美浦Sまではモタれる面を見せていた同馬が、新潟大賞典ではそれが一切見られず、ブレずにまっすぐに走れていた点も好感が持てる点だ。近走は惜敗が続いていたが、強い内容、かつ成長が見られるレース内容で競り勝てたことからも、本格化を示したと評して良いのではなかろうか。
また、距離短縮が良い方に出たのも本格化を促した大きな要因と言えるだろう。昨年までは2400mを主戦場としてきた馬だったが、今年初戦の湾岸Sで2200mを走って3着、続く美浦Sからは2000mといったように距離を短くしてパフォーマンスを上げてきた。今の勢いでこのメンバーを相手に2000mなら、引き続き勝ち負けだろう。
今回唯一懸念しているのが、モタれる面だ。前走は見られなかったが、右にモタれるところがあるので左回りの新潟が舞台だったから上手く噛み合ったという可能性もある。右回りの福島に戻ってまたモタれる可能性も十分にあり、極度の馬場悪化となればさらにその可能性は増しそうだ。舞台替わりで悪癖が再発することを想定するなら、一枚評価を落として馬券を組んだほうが良いかもしれない。
重賞で通用する下地はあるだけに、本格化でモタれる面が克服できていることにも期待したい。