今年は七夕当日に開催される「七夕賞」。過去10年で3連単の配当10万馬券以上が6回と波乱の頻度は多く、うち2回は100万馬券、256万馬券と波乱の度合いも大きい波乱傾向の強いレースである。
積極的に穴馬を馬券に組み込んで勝負したい一戦となるが、今回は過去10年のデータと傾向から激走が期待できそうな穴馬を選出してみたい。
まず脚質だが、好成績を挙げているのは【7-3-4-22】と過去10年で7勝を挙げている「先行馬」だ。福島の2000mは小回りコースで3~4コーナーはスピードの落ちにくいスパイラルカーブとなっており、やはり前目で競馬をした馬が残りやすいとく特徴がある。
次にハンデだが、抜けて好成績なのは【6-2-0-21】と6勝を挙げている「57kg」だ。先行馬が良績を挙げていることから軽ハンデの先行馬を狙いたくなるところだが、53kg以下は【0-1-4-27】と不振気味。57.5kg以上だと【1-1-1-10】と背負わされすぎても不振で、57kgとハンディキャッパーにほどよく評価されている馬が好走する傾向が強い。
最後に注目したいのは前走レース。過去10年で唯一2勝を挙げているのは「鳴尾記念」と「エプソムカップ」の2レースだ。とくに鳴尾記念は連対数と3着内の回数も最多となっており、好成績だ。大箱の東京2000mで行われるエプソムカップよりも、内回りでタイトな京都2000mで行われる鳴尾記念の方がより通ずる部分があるからかもしれない。
そして最後は騎手だ。過去10年で最多の3勝を挙げている「戸崎圭太」が【3-0-0-5】と騎手の中では一番好成績を挙げており、1勝以上を挙げているのは戸崎騎手のみとなっている。ただ、今年は目下8戦連続連対中のレッドラディエンスに騎乗予定となっており、1・2番人気に支持される可能性が高い。穴馬ではなく人気馬に騎乗予定であることから、今回は次いで好成績を挙げている「内田博幸」に注目したい。過去10年で【1-1-1-6】と勝利数こそ他の騎手と同様の1勝のみだが、3着内の回数は戸崎騎手と最多タイとなっている。
脚質、ハンデ、前走レース、騎手の傾向をこれまで挙げてきたが、今年の七夕賞でこれに該当するのはナカヤマフェスタ産駒の古豪バビットだ。先行馬でハンデが57kg、前走レースが鳴尾記念(7着)、鞍上が内田博幸騎手と全ての条件に当てはまっている。
3走前の京都記念では9番人気ながら3着に激走しており、番手追走から内ラチ沿いで踏ん張って3着に粘るしぶとい競馬を見せた。3歳時にはラジオNIKKEI賞とセントライ記念で逃げ切り勝ちを果たしてる重賞2勝馬で、近走はスムーズに逃げれていないところもあるが、前走の鳴尾記念もハナをきって逃げており、今回もスムーズに逃げることが出来れば面白い。2020年のセントライ記念・1着以降は勝ち星から遠ざかっており、人気も上がらず。今回も伏兵的な立場での参戦となる可能性が高く、マークが薄くなる逃げ馬候補ということで狙いたくなる1頭だ。
2020年に逃げ切り勝ちを果たしたラジオNIKKEI賞とセントライ記念は内田騎手が騎乗してのもので、バビットの乗り方も十分に熟知している騎手だ。脚質的に好走に注文がつくタイプの馬でもあるが、データ的には十分に激走が期待できる条件が揃っているということで、激走期待の穴馬として有力視したい。