【札幌日経オープン2024予想】洋芝巧者キミノナハマリア、2600mでも勝ち負けか?

札幌競馬の土曜メインは芝2600mの中距離オープン「札幌日経オープン」が開催。昨年の覇者ブローザホーンは今年の宝塚記念を制し、一昨年の勝ち馬ハーツイストワールはその後アルゼンチン共和国杯で2着に好走するなど、その後ハイレベルな重賞戦線で活躍する馬を多く輩出。今後の中距離重賞戦線を占う上でも見逃せない一戦と言えよう。

今年注目したい素質馬は前走の五稜郭Sを快勝したキミノナハマリアだ。

今年初戦の2勝クラスを好位から抜け出す競馬で快勝すると、続く3勝クラスの飛鳥Sは同じスタイルの競馬で4着。続く福島牝馬Sでは14着と大敗するも、3コーナーで落馬した馬の影響を大きく受けてのもので、参考外と見て良い。前走の五稜郭Sは落馬後の影響がどうかという懸念はあったが、難なくクリアして快勝しており、全く問題はなかった。

デビュー戦は重馬場の函館1800mを快勝しており、昨年も重馬場のHTB賞で3着に好走するなど、タフな馬場が得意なタイプ。前走は雨量がだいぶあった函館の1800mとこの馬にとっては有利な条件・コースだった。

今週の札幌は雨が多く、渋った洋芝が得意なキミノナハマリア向きの馬場で臨める可能性は大。前走の快勝で弾みも付いており、好調が続く中で中3週とローテーションもちょうどよい。能力の高さを考えてもここは上位の1頭と評価したい。

とは言え、今回は2600mと一気に距離が延長される点が最大のネックとなる。これまで走った一番長い距離はオークスの2400mで、番手から追走する積極的な競馬を見せるも18着の殿負け。これまで勝っているのが1800~2000mの距離で、大敗したオークスよりも1Fさらに長くなるとさすがに強く推しにくくなる。

昨年春のフローラSあたりでは折り合いを欠くところも見られたが、基本的には気性も落ち着いており、乗り難しいタイプではない。父ハービンジャーはスタミナとスピード能力が高く、長距離戦での強さを子供にもたらしてくれる産駒で、母のシャドウマリアも英国の2400mで結果を出してきた地力の高い馬だ。血統的に見ると長い距離のレースにおいても期待値は高そうだ。

走ってみなければわからない部分も多いが、札幌巧者で能力も上位と距離の懸念を相殺してくれるくらいの魅力はある1頭だ。距離の不安を吹き飛ばし、素質でライバル達をねじ伏せることが出来るかどうかに注目だ。