北の大地で行われる2歳G3「札幌2歳S」がいよいよ開催だ。キャリアが1・2戦の馬がほとんどで各馬の評価が非常に難解な一戦だが、デビュー戦から勝ちっぷりが良かった馬はやはり注視しておきたい。
今年で言えば新馬戦レコードVのキングスコールが抜けて目立っていたが、同馬の回避によって今度はデビュー戦とオープンのコスモス賞を連勝してきたアスクシュタインが押し出される形で注目が集まっている。
函館1800mのデビュー戦はポンとうまくスタートを出してマイペース逃げの展開に。後半ペースアップして最後までしぶとく脚を使って1馬身半差で圧勝した。続く前走のコスモス賞でもすんなりとハナを奪うと、直線はメンバー上がり3F最速35秒0の脚で2着馬を7馬身も突き放して逃げ切った。人気馬の心房細動でメンバーレベルもそこまで高くなかったとは言え、逃げて上がり最速の7馬身差完勝は強い内容で、唯一のオープン勝ち馬であるという点は無視できない。
勝った2戦はいずれも逃げ切り勝ちで控えた場合にどうか、1800mから1200mへの距離短縮に対応できるかなど不安もあるが、この時期の2歳馬で不安要素の無い馬などいない。1200mは全頭が初経験で適性は未知の域を超えないが、アスクシュタインにおいては気性に課題があるため、距離短縮はプラスに働く可能性が高い。ゲート、二の脚ともに速く、仕掛けるという意識無くしてもハナに立てるスピードがあり、1200mはむしろ適距離なのではないかという見立てはできよう。
鞍上はデビュー戦から手綱を握る北村騎手が引き続きコンビ継続となる点も好材料だ。先週の新潟2歳Sを制し、JRA全10場重賞制覇まで札幌ひとつというところまで来ている。大怪我で1年以上戦線から離脱し、復帰後も着実に実績を積み重ねて今年は重賞2勝と良い流れも来ている。ここを制して勢いそのままに完全制覇達成といきたいところだ。
押し出される形での人気馬となりそうだが、実績上位で高い適性も見込め、実力馬の回避で運も味方をしてと流れは来ている。応援したい要素も多く、ここは激走に期待したい。