今週は牝馬三冠最終戦である秋華賞へ向けた見逃せないトライアル「紫苑ステークス」が開催。紛れが少なく実力通りの決着になりやすい特徴がある同レース。
人気が予想される上位人気勢の中でとくに注視したいのは、北海ハンデキャップ・1着から参戦するエラトーだ。
昨年7月のデビュー戦で4着、初勝利はデビュー4戦目となった今年初戦の未勝利戦と勝ち味に遅いところがあった馬で、重賞初挑戦となった3月のチューリップ賞も見せ場作れずの9着敗退と春までは中々良い結果を出せずにいた。しかし、ひと息入れた夏の函館では1勝クラス、2勝を連勝と一気にパフォーマンスを上げてきた。
2走前の1勝クラスは逃げ切り、続く前走の2勝クラスは番手追走から抜け出して快勝と、前目からしぶとく粘る競馬が同馬の勝ちパターン。いずれもスローの展開で条件が向いたということはあるが、スタートセンスが良く、余裕のある勝ち方からまだまだ上を目指せる器である。
ただ、前傾ラップになった場合に怖いのと、今回は逃げ馬候補も多数揃っているので、やや警戒度は高めたいところ。走りを見る限り洋芝適性も高そうで、適性の高さでパフォーマンスを上げてきたという可能性も十分。今回は開幕週の中山コースということでスピード馬場への対応がどうかというところも懸念材料の1つとなりそうだ。
さらに近況更新には「熱発から状態は回復しているがカイ食いが戻ってない。」と上村調教師からコメントが出ており、暑さや熱発の影響にも警戒しておきたい。馬体重が大幅に減っていたり返し馬の手応えが悪い場合は危険視する必要も考えておく必要がありそうだ。
人気を集めることは間違いないので、慎重に取捨を判断していかないといけない1頭になりそうだ。