2018年も8月に入り、サマーシリーズも中盤戦に突入。今週の新潟の日曜メインはサマーマイルシリーズの第2戦「関屋記念」です。
同競走で近年目立っているのは「逃げ馬」の活躍です。昨年は7番人気のマルターズアポジーが逃げ切り勝ちを果たし、2015年はレッドアリオン、2010年はレッツゴーキリシマが逃げ切って優勝しております。過去10年の逃げ馬の成績は「3-0-1-6」と好成績です。
昨年はマルターズアポジー、マイネルハニー、ウインガニオンと逃げ馬候補が3頭もおりましたが、今年も何頭か飛ばしそうな馬が揃いましたので、今回は逃げ馬候補3頭を紹介したいと思います。
ウインガニオン(牡6、西園正都厩舎)
昨年の関屋記念では逃げたマルターズアポジーから離れた2番手を追走し、2着に入着。前走の中京記念は逃げて8着に敗れましたが、レースでは外から押して先頭に立つも、アメリカズカップとマイネルアウラートも内から付いて行き、1000m通過タイム57秒というハイペースで、さらに終始外を周る厳しい競馬となってしまいました。
それでも8着なら個人的には粘ったほうと評価しておりますが、競られたり外を周ってしまったり自分のペースで競馬ができないとこういう結果となってしまうのが逃げ馬の厳しいところ。2走前の安田記念でも1000m56秒8というハイペースで逃げながら勝ち馬と0秒7差の7着に健闘しました。今年は中京記念、関屋記念、京成杯オータムハンデとサマーマイルシリーズにフル出場する予定となっており、本気度は高いです。昨年のリベンジもかねての出走となりますが、毎年夏場に調子を上げてくる馬ですし、今年こそ逃げきってシリーズチャンピオンへとつなげたいところです。
ショウナンアンセム(牡5、田中剛厩舎)
6月に1600万下の多摩川ステークスを逃げ切って勝利し、中1週で挑んだ前走のパラダイスステークスでも逃げ切り勝ちを果たしました。もともと先行していく馬ではありましたが、逃げたのは2走前の多摩川ステークスが初めて。味を覚えたのか前走のパラダイスステークスでも逃げ切って勝利しました。
今年はすでに7戦も使われておりそろそろ疲れも心配ですが、ここへきて走りが充実してきており、重賞初挑戦でも賑わせてくれそうな雰囲気です。とは言え、今回は同馬を含め逃げ馬が多数おりますので、楽に逃げれた前走とは勝手も違ってくるでしょう。鞍上の津村騎手の絶妙なペース配分もあっての勝利でしたが、津村騎手は今回はもう1頭の逃げ馬、ウインガニオンに騎乗となるため、乗り替わりとなります。ここ5戦で3勝2着2回と勢いがありますので、このままの勢いで重賞初制覇といきたいところです。
エイシンティンクル(牝5、坂口正則厩舎)
2走前の1000万下の小豆島特別、前走の1600万下の豊明ステークスと連勝を果たし、晴れてオープン入りを果たしました。今回重賞初挑戦となります。キャリア13戦中11戦を逃げており、生粋の逃げ馬という印象がありますが、前走は昇級戦ということもあってか、道中は無理せずに控えて追走しての勝利でした。
逃げ馬候補としてあげさせてはいただきましたが、前走は逃げずに控え、直線で差し返すという強い競馬を見せてくれたという点は高評価。距離を短縮してから成績が安定してきており、前走で一皮むけた感もあります。フランスのG1イスパーン賞や香港カップを勝ったエイシンヒカリの全妹ということで血統的にも注目したい1頭です。前走は控えて好内容のレースを展開しているだけに今回は逃げるかはわかりませんが、どういう走りを見せてくれるのか楽しみな1頭でもあります。