JRAのレースの中で最も長い距離を走るレース「菊花賞」がいよいよ開催。主役はダービーVから直行のローテーションで臨むダノンデサイルだ。
皐月賞はレース直前に右前肢跛行発症で無念の競走除外となったが、ダービーでは好位内をロスなく立ち回り、スムーズに抜け出して2馬身差で完勝した。気になるのはぶっつけのローテーションで、過去にダービーからの直行で菊花賞を勝った前例はなく、今年もジンクスがつきまとう。
まずは状態面だが、最終追いは栗東坂路を単走で追われ、4F54.2-1F13.1をマーク。前走と比較すると時計面ではかなり劣る追い切りで、内容としては軽め。ただ、1週前は6F78.1-1F11.4の好時計をマークして自己ベストを大きく更新しており、2週前の追い切りでも自己ベスト更新と先週までの追い切りは絶好。先週の時点で態勢は整っており、最終追いは調整程度でも問題ないだろう。今回約5ヶ月ぶりのレースとなるが、ぶっつけ参戦は予定通り。それだけに仕上げに抜かりはないと見る。
次に距離だが、折り合いに関しての不安は少ないタイプ。また、鞍上の横山典弘騎手も当たりの柔らかい騎乗スタイルで、長い距離を保たせる技術に長けた騎手という印象が強い。前走後に横山騎手も「3000mに不安は無い」「ダービーのゴール後も止めるのが大変なくらい」とコメントしており、長距離戦へ向けても高い期待度を示していた。
ダービーは展開向いたとはいえ他を寄せ付けず完勝し、最後の伸びを見ても距離延長はプラスに働く可能性は十分。ダービー上位組が不在となる今回は相手関係が楽にもなり、地力は上位。折り合いの不安はなく、終いの脚が使える点で菊花賞の舞台も合っている。この条件なら素直にダノンデサイルから手堅く勝負するのが盤石か。