17日(祝・月)は中山競馬場で菊花賞トライアルの「セントライト記念」が開催されます。春のクラシックを戦ってきた実績馬と、夏に力をつけてきた上がり馬が対決するという図式は、古くから描かれてきました。
今年もその図式は健在の様子。皐月賞で3着、日本ダービーで16着だったジェネラーレウーノをはじめ、日本ダービー3着のコズミックフォースや、皐月賞6着、日本ダービー14着だったグレイルなどが春のクラシック組として参戦。
夏を使ってきた馬では、函館の松前特別で昨年の紫苑S・2着のカリビアンゴールドを破って勝利したレイエンダをはじめ、小倉の西部スポニチ賞を逃げて快勝したフランケル産駒の期待馬タニノフランケルなどが注目です。
近年の傾向を見ると、2016年の勝ち馬ディーマジェスティや、2015年の勝ち馬キタサンブラック、2014年の勝ち馬イスラボニータなど、春のクラシック組が優勢。ただ、昨年は単勝オッズ1.7倍に推されたアルアインが夏の福島を使われてきたミッキースワローに敗れておりますし、3着にも同じく福島のラジオNIKKEI賞を使われてきたサトノクロニクルが入線するなど、夏の上がり馬が健闘するケースも少なくありません。
皐月賞3着のジェネラーレウーノや、日本ダービー3着のコズミックフォースなどはもちろん実力上位だと思いますが、ジェネラーレウーノはダービーで16着に大敗、コズミックフォースは約4ヶ月の休み明けということで、完全な信頼を置くにはやや不安が残ります。
ということで、今年は例年以上に春のクラシック組と夏の上がり馬組の差がないように思えます。とくに、夏の上がり馬の中でも極めて高いパフォーマンスを見せているレイエンダには、大きな期待感をよせているファンも少なくないのではないでしょうか。
レイエンダは昨年7月に札幌でデビューし快勝。ダービー馬のレイデオロの弟という血統的背景と、デビュー戦での勝ちっぷりからクラシックへの期待が高まっておりましたが、その後骨折が判明。比較的軽度ではありましたが、大事をとって春のクラシックをパスし、5月の条件戦から復帰となりました。
しかし、そこからは条件戦を連勝し、現在3戦3勝と期待通りの強さを見せております。とくに前走の松前特別では、準OPでも好走歴のある古馬たちを堂々とねじ伏せる圧巻の内容でした。
今回のセントライト記念が初の重賞挑戦となりますが、前走のレース後は鞍上のC.ルメール騎手も「凄くいい馬。まだまだ良くなるし、重賞も絶対に獲れる」と絶賛しており、藤沢和師も「いつかはお兄ちゃん(レイデオロ)と一緒に走らせたい」と大舞台への進出へも意欲的。
クラシック組とは戦ってきた相手が違うので比較は難しいですが、前走の3着馬のカリビアンゴールドはその後も勝ち上がっておりますし、同じ函館2000mの函館記念よりも速いタイムで勝っており、レースも流しただけといった内容でした。強い内容であったことは確かです。今年はクラシック組とは言え、掲示板だった馬がほとんどですので、良い勝負になるのではないでしょうか。
ジェネラーレウーノは前走のダービー16着で人気を落としそうですが、高速馬場だったことや、ハイラップでついていけなかったことなどが敗因として考えられます。今回は皐月賞3着を含む得意の中山コース(2-0-1-0)にかわりますし、巻き返してくる可能性は十分あります。
この2頭の対決は楽しみですが、序盤の展開で言えばダービー馬ウオッカの仔タニノフランケルとの先行争いも見ものとなりそうです。レース展開の鍵を握る1頭として注目したいところです。他にも、別路線組ではNHKマイルC・2着のギベオンも、菊花賞へは向かわなそうなことから、ここがメイチの可能性は高そうで注目したい1頭です。
いよいよ秋競馬が開幕ということで、強い馬も始動しはじめてきました。ただ、力関係も不確定で、人気上位馬にも不安材料は多く、伏兵馬の台頭もまだまだありそうな気配も漂っております。秋のクラシック戦線の有力馬に名乗り出て来る新たな馬がいるかどうかにも注目したいところです。