クラシック第一冠の皐月賞と同じ舞台で争われる重賞「京成杯」がいよいよ開催だ。3歳馬にとっては初の中距離重賞であり、クラシックの前哨戦という位置づけからも見逃せない一戦である。
今年も素質馬揃いだが、中でも注目を集めているのが昨年10月に行われた東京2000mのデビュー戦を快勝したキングノジョーだ。
それもそのはず、2023年のセレクトセール1歳では最高額タイの3億1000万円で落札された高額馬であり、半兄には2023年の天皇賞・春を制したジャスティンパレスを持つ超良血馬だ。早くから注目を集めていた素質馬で、デビュー戦ではC.ルメール騎手とのコンビで単勝オッズ1.3倍の人気を集めていた。
レースでは好位追走から直線で馬群を捌いて抜け出し、上がり3F最速33秒8の脚で2馬身半突き抜けて勝利する圧勝劇で観客を沸かせた。直線はやや狭くなったが、前が開くとノーステッキでも鋭く伸びており、ポテンシャルの高さを感じさせる勝ちっぷり。逃げずにあえて馬群の中で我慢させたルメール騎手の策もお見事で、先々が楽しみになる好内容であった。
気がかりとなるのは初の“中山コース”。父シルバーステートで母系も中山は得意という印象は薄く、血統だけ見れば高い適性はそこまで見込めない。デビュー戦の東京2000mは比較的すんなり先行できるコースだが、先行争いが激化しがちな中山2000mで押し切るのはなかなか難しそうだ。
また、半兄ジャスティンパレスも大器晩成型なので良くなるのはまだ先のようにも思える。田中調教師が「前進気勢が一番の課題」とコメントしているように、気性面の課題も浮上。中山2000mでも折り合ってパフォーマンスを上げてくるようなら、当然クラシックでも主役候補に上がってくるはず。期待に応える走りを見せてくれるかに注目だ。