毎年セレクトセールで高額馬が落札されています。そのほとんどが良血馬です。しかし、良血馬が全て走るのなら、多少は高いお金を払ってでも良血馬を買う人は増えますが、そんなに競馬は甘いものではありません。高額馬は2億・3億します。中には6億円した馬もいます。その6億円した馬は1勝も出来ませんでした。競馬などそんなものです。
他方で、1000万円で落札された馬が10億円以上、世界一稼いだ馬となったりもします。それがテイエムオペラオーです。1000万円の100倍が10億円です。2億円の馬は元を取り返すのにG1を1勝した位では元を取る事は出来ません。1000万円の馬ならG3を勝てばすぐに元を取れます。格安馬を20頭買うか?高額馬を1頭買うか?ここは馬主の考え方によって全く意見が分かれます。
先ず、高額馬を買うオーナーの顔ぶれは決まっています。毎回高額馬の最後まで競り合う面子は決まっています。高額馬を好む人はとことん高額馬を買い、格安馬には目もくれません。高額馬は資金的なパワーがあるオーナーが独占しています。また必然的にそういう流れになります。しかし、冒頭でも触れましたが良血馬が必ず走る保証などありません。その馬が走るか、走らないかは運次第です。
故障でもしたら、その時点でアウトということも十分にありえます。デビューせずに引退。こんなに悲しい事はないでしょう。これは、馬の金額による問題ではありません。1000万円の馬も2億の馬も変わりません。デビューしない事にはどうにもなりません。
要するに馬主をビジネスでやっていくのは非情に難しいということです。その為、金持ちの道楽と言われています。安い馬といえども数百万円。ディープインパクトほどの人気種牡馬になれば種付けの段階で3000万円。とにかく動くお金の大きい馬主界隈。
同じ競技に携わる人間として、スケールの違いを感じざるを得ませんが、馬主になってみたい、というかたには一口馬主という道も残されています。これもまた馬に寄って金額はかわりますが、例えばオルフェーヴルの全妹・オリエンタルアートの2014が一口125万円で募集されたりと、それでも少々値が張るものの、一般人では手が出ないというものではなくなります。馬券として買った馬が勝つだけであんなにも嬉しいのです。権利の一部とは言え、自分の買った馬が勝ったならば、それ以上の歓びはないのかもしれませんね。