秋の女王決定戦「エリザベス女王杯」が11月11日に京都競馬場で開催される。今回は一足先にエリザベス女王杯を考察してみたいと思う。
同競走はリピーターの活躍が多く、過去10年で2回以上馬券に絡んだ馬が5頭もいる。去年馬券に絡んだ馬が今年も馬券に絡むケースが2年に1度はあるという計算だ。
昨年の3着内3頭のうち、今年も出走してくるのはモズカッチャンとクロコスミアの2頭だ。
モズカッチャンは昨年の勝ち馬で、クロコスミアは昨年の2着馬。クロコスミアは昨年の2着以来馬券に絡めておらず不振が続いているが、モズカッチャンは前走の札幌記念で勝ち馬と差のない3着に健闘しており、昨年の勝ち馬ということもあり1番人気を争う立場になりそうだ。
2頭のうちどちらがリピーターになるか選べと言われたら、モズカッチャンを選ぶ人の方が圧倒的に多いだろう。鞍上は昨年も手綱を握った"G1男"のM.デムーロ騎手ということで信頼度も高い・・・と言いたいところだが、先週の天皇賞秋では人気馬のスワーヴリチャードで10着に敗れ、今年のG1は「1-2-1-10」と精彩を欠いている。
昨年は重賞5連勝と絶好調だったデムーロ騎手だが、今年はC.ルメール騎手がG1・3連勝を果たし絶好調。いずれも強い馬が集まる人気の外国人ジョッキーだが、今年はルメール騎手の勢いが完全に勝っている。
ルメール騎手は紫苑ステークスの勝ち馬ノームコアに騎乗予定となっており、こちらも上位人気に推される可能性は高い。デムーロ騎手にとってもここは昨年の勝ち馬で前走から弾みをつけて挑めるという好条件、名誉挽回といきたいところだろう。
モズカッチャンという馬だが、タイプ的にはスピードに優れた中距離馬という印象。これといった目立った武器は持ち合わせていないが、バランスが良く、立ち回りもうまく、反応も良く、加速して抜け出す競馬で中距離路線を突っ走ってきた馬だ。デムーロ騎手との相性も良く、牡馬相手でも戦える力もある。
強いて不安点をあげるなら、近走は先行できていない点と、前述の通り目立った武器がなく、トップスピードもそこまで速いわけではないという点だ。バランスの良い馬だが、前半の位置取りや抜け出しのタイミングなど騎手の腕が問われる部分も多く、枠やペースも重要なファクターとなってくる。
昨年のエリザベス女王以来スタートでもたつき先行できない競馬が続いており、その点も不安材料となっている。個人的には去年のエリザベス女王の馬券でお世話になっている馬なので応援したいところだが、枠が外目なら割り引く必要もありそうだ。予定していた府中牝馬Sを発熱で自重している点も気がかりとなっており、状態面も慎重に見極めて取捨を判断したい。