秋の女王決定戦「エリザベス女王杯」がいよいよ開催されます。かつては牝馬三冠の最終戦として親しまれておりましたが、古馬との混合戦になってからは3歳馬と古馬との対決が大きな見どころの一つとなっております。
今年の3歳は紫苑ステークスの勝ち馬ノームコアと、秋華賞3着のカンタービレの2頭のみ。古馬は昨年の勝ち馬モズカッチャンや、ステップレースの府中牝馬ステークス2着のリスグラシュー、京都大賞典でサトノダイヤモンドに半馬身まで迫って2着に好走したレッドジェノヴァなどが揃いました。
今年の3歳牝馬は、牝馬三冠を果たしたアーモンドアイが牡馬を含めた3歳の総賞金ランキングでトップに立っており、例年以上のレベルの高さを感じます。
エリザベス女王杯の過去10年の3歳の成績は「4-4-3-37」と優秀で、勝率(8.3%)と連対率(16.7%)は年代別でトップです。4歳の成績は「4-3-6-42」と3着内の頭数は最多ですが、3歳馬の勢いを抑えきれていないのが現状です。世代ごとにレベル差はあると思いますが、古馬が相手でも通用する確率は高いと言えるでしょう。
ということで、今年の3歳馬2頭も要注目です。とくに紫苑ステークスでマウレアに3馬身差をつけて快勝したノームコアのパフォーマンスは圧巻でした。その後は秋華賞へ向かう予定でしたが、体調が整わず回避。C.ルメール騎手がアーモンドアイに騎乗するため回避したという噂も囁かれておりますが、確かに実際に出ていればアーモンドアイの三冠を阻止する可能性は大いにあったでしょうし、主戦騎手を乗せたいなら回避するのも一つの手でしょう。何れにせよ、ひと夏を越しての成長は確かで、初の古馬相手でも十分通用しそうな気配は十分といった感じです。
カンタービレは秋はローズステークスを制し、前走の秋華賞でも3着と大健闘。アーモンドアイには一瞬で突き放されてしまいましたが、カンタービレもしっかりと伸びてますし、これまでの先行策から一転して差す競馬で好走した点は高く評価したいところです。オークスでは13着に大敗しており、距離が伸びてどうかという不安がありますが、秋華賞では3~4コーナーでロスのないうまい立ち回りを見せてくれました。流れに合わせて立ち回れる競馬もできるし、キレを生かせる京都なら好勝負ができそうです。
連覇を狙うモズカッチャンに悲願のG1制覇を狙うリスグラシューと古馬勢も大きな壁となって立ちふさがりますが、レベルの高い今年の3歳勢の挑戦をはねのけて再先着を果たすのは容易ではないでしょう。激戦必至の一戦となること間違いなさそうです。