秋の福島競馬の一発目の重賞は「福島記念」だ。優勝馬10頭中5頭が単勝6番人気以下で、3着にも6番人気以下の馬が5頭入っており、人気薄の台頭が多いハンデ戦である。人気薄でも気になる馬がいれば積極的に買い目に入れていきたい一戦だ。
今年の福島記念でぜひ買い目に入れておきたい1頭はマイネルハニーだ。福島記念は2016年に出走しており、4着だった。レースは逃げるマルターズアポジーを見ながら2番手を追走し、そのまま差を詰めれずマルターズアポジーが逃げ切り勝ちを果たすという内容だった。
逃げれていればという声もあったが、その後のチャレンジカップでは番手から早めに抜け出す競馬で優勝しており、逃げなくても勝てることを証明。その後も逃げるだけでなく先行する競馬で実績を積み重ねていった。前走のオクトーバーステークスでも3番手の内から進め、逃げ粘る勝ち馬のマウントゴールドに並びかける2着という内容。もちろん逃げても強い馬だが、今では先行押し切りの競馬もすっかり板に付き、先行力が魅力の一つとなっている。
福島コースは3~4コーナーが下りながらカーブを曲がるスパイラルカーブで、最後の直線も290mと短いので前傾ラップになりやすく、前に行った馬が持ちこたえるケースが多いといった傾向がある。福島記念も優勝馬10頭中7頭が先行馬で、やはり先行馬の好走率が高い。福島コースを経験しており適性的にも不安がなく、適度に流れたペースでも長く脚を使えるマイネルハニーなら好勝負が期待できるのではないだろうか。
前走のオクトーバーステークスでは蛯名騎手が初コンビにも関わらず好騎乗を見せてくれた。レース後には「ゲートで落ち着かせて、急かさず折り合いをつけていく、こういう競馬を覚えてくれればもっとやれると思います。やれば出来る馬です。いい馬ですね。」とコメントしており、マイネルハニーの良い部分を引き出すためのアドバイスまでするという達者ぶり。
今回は想定では丹内騎手へ乗り替わりとなっているが、コンビ成績は函館記念(14着)、新潟記念(9着)と結果を残せていないだけに、鞍上弱化と見るファンも少なくないだろう。マイネル軍団の主戦騎手というイメージもすっかり定着してきたが、重賞ではさっぱりだ。適性が見込める福島記念でマイネルハニーの真骨頂を発揮してもらい、下馬評を覆す騎乗を見せてもらいたい。