17日(土)の東京メインは2歳重賞の「東京スポーツ杯2歳S」です。
12月に行われる朝日杯フューチュリティSの前哨戦としても有名なレースですが、昨年の勝ち馬ワグネリアンはダービー馬に、一昨年の2着馬スワーヴリチャードはダービー2着になっているように、来年のクラシックへとつながる一戦としても注目されている一戦です。
昨年は1~3番人気が人気順通りに決着し、一昨年も1、2番人気が3着内に入っており、近年は順当な決着が続いております。過去10年においても1番人気が5勝しており、3着内率80%と1番人気は堅実です(5-2-1-2)。2番人気も1、2着に2回ずつとまずまずの成績で、上位人気馬の信頼度は高いと言えます。
ということで、今回は上位人気が予想される3頭の馬をピックアップしてみましたので、各馬考察してみましょう。
ルヴォルグ(牡2、藤沢和雄厩舎)
10月に東京でデビューしたディープインパクト産駒です。新馬戦は外目の4番手から先行する競馬で進め、直線序盤ですぐに先頭に立つとそこからは馬なりのままムチを一度も使わずに4馬身差をつけてゴールする圧勝劇でした。タイムはそこまで早くはありませんが、確かな先行力と同じ東京の1800mの舞台で見せた高いパフォーマンスは次走を楽しみにさせる材料です。
ルヴォルグは父ディープインパクトと母キトゥンカブードルの間に生まれた初仔。母の繁殖能力はまだ未知で、今後どのような競馬を見せていくのかが注目される馬でもあります。馬主はパカパカファームが競走馬を提供する非ノーザンファーム系クラブのワラウカドで、厩舎は名門藤沢厩舎、さらに今回は鞍上にR.ムーアを確保するという強力な陣営です。馬もまだ底を見せていないだけに、期待感が高まります。
ヴェロックス(牡2、中内田充正厩舎)
8月に小倉でデビューしたジャスタウェイ産駒です。新馬戦は3~4番手から進め、4コーナーで内を交わして直線入り口で早々に先頭に立つと、一気に後続を引き離し8馬身差をつけて圧勝。しかし、続く野路菊S(OP)では逃げ馬を捕えきれずに半馬身差の2着に惜敗し、単勝1.4倍の人気を裏切る結果となりました。追い切りの動きが悪く、馬体重もマイナスで挑んでいたことから体勢が悪かったとも言えますが、いずれにせよこの1戦で評価で落とすのは早計でしょう。
血統は父ジャスタウェイ、母セルキス、母父Monsunという血統。母のセルキスはドイツ芝2000mの重賞馬で、Monsunはドイツが誇る大種牡馬。中距離路線の活躍が期待されそうなイメージですが、ジャスタウェイ産駒もまだまだ未知であり、今後の産駒の特徴を知る上でも注目の1頭です。近2戦で手綱を握った浜中俊騎手からG1・3連勝を果たすなど秋は絶好調のC.ルメール騎手へ乗り代わる点も注目です。
カテドラル(牡2、池添学厩舎)
7月に中京でデビューしたハーツクライ産駒です。新馬戦は好スタートを決めて内から逃げ馬の直後を追走し、4コーナーで前を交わして直線で上がり最速の脚を叩き出し2馬身半差の圧勝。かなりのスローペースでしたが、ラスト2F11秒1−11秒5とラップも優秀です。さらに続く野路菊S(OP)では先手をとって緩やかなペースで逃げ、強敵ヴェロックスを降しました。約2ヶ月ぶりで馬体重プラス10kgと成長を促しながらの好内容でした。
血統は父ハーツクライ、母アビラ、母父ロックオブジブラルタルという血統。母のアビラは海外で重賞馬も出ておりますし、国内でもダート重賞のエルムSを勝ったジェベルムーサなどを輩出しております。2歳戦ではまだまだ完成途上な馬が多く本格化は遅いとされているハーツクライ産駒ですが、無傷の2連勝とここまで好調なだけに、クラシック戦線においても面白い存在になりそうな1頭です。鞍上はデビューから手綱を握る福永祐一騎手が引き続き騎乗予定です。