20日(日)の阪神メインレースは第64回阪神大賞典だ。3000mという長距離で行われる同競走は、後の天皇賞春へ向けた前哨戦としても有名で、昨年引退したばかりのG1・6勝馬のゴールドシップも'13年、'14年、'15年と阪神大賞典を3連覇しており、'15年はその後の天皇賞春も制している。天皇賞春を占う上では欠かせない一戦である。今春の最強古馬決定戦に駒を進めるのはどの馬だろうか?今年の出走予定馬の中でも長距離適性が高そうな馬を探してみたいと思う。
長距離戦線に新たな風?
3000m以上のレースで好走歴があるのは以下の4頭。'14年の菊花賞(京都、芝3000m)の勝馬トーホウジャッカル、昨年の菊花賞とダイヤモンドS(東京、芝3400m)で2戦連続4着のタンタアレグリア、昨年の天皇賞春(京都、芝3200m)の3着馬カレンミロティック、そして昨年のダイヤモンドSで3着、ステイヤーズSで2着のカムフィーだ。当然このあたりから人気しそうな気配はあるが、今回とくに注目されているのは実は別にいる。「シュヴァルグラン」だ。シュヴァルグランは父ハーツクライ、母ハルーワスウィート、その父マキャベリアンという血統。同じハーツクライの産駒には'14年のダービー馬ワンアンドオンリーや、昨年ダイヤモンドS連覇を達成したフェイムゲーム、オークス馬のヌーヴォレコルトなどがおり、中距離以上の舞台で活躍する馬を多く算出している産駒である。シュヴァルグランは近4戦全て2400mを走っており、4戦3勝、2着1回と好走が続いている。天皇賞春へと続く長距離路線の第一歩という位置づけでもあった前走の日経新春杯では2着に健闘し、本番へ向けて着実に階段を登ってきている。これまでの好走ぶりからも、距離延長には期待を持ちたくなる一頭であることは間違いない。
同馬を管理する友道康夫調教師はすでに大目標は天皇賞春であると公言しており、長距離適性を高く見込んでいるようだ。折り合いに不安のないタイプで、問題は距離がもつかどうかだけ。お決まりのステイヤーが揃う長距離戦線に新たな有力馬が名乗りを上げることとなれば今年の春の天皇賞はいっそう面白くなりそうである。後のビッグレースを盛り上げるためにもここは好勝負必至。