前哨戦のアルテミスSを勝ったシェーングランツ。16年覇者でG1・2勝を挙げたソウルスターリングを姉に持ち、姉妹制覇が期待される。
前走のアルテミスSでは後方待機からの直線一気を決め、レースレコードで快勝。父がディープインパクトの同馬の末脚は、父フランケルのソウルスターリングと比較してもひけを取らないものであった。
好位で競馬をしていた姉とは違い序盤での前向きさは見られないが、終いはしっかり伸びてくれる。ただ、仕掛けられてから少しモタつくところがあり、反応は鈍め。今回は平均から後傾ラップの瞬発力勝負となりやすい阪神マイルが舞台となるので、後方から追い込んで間に合うかどうかという展開が予想されるだろう。
前走はハイペースで展開が嵌った感もあるが、今回も出走馬には前向きな馬も多く、早くなる可能性は高い。前走の東京から直線距離は少々短くはなるが、それでも約470mある阪神の直線なら届く可能性は十分ある。
鞍上は前走に続き武豊騎手が騎乗予定。前走のレース後のコメントでは、外に追い出した際の様子について「フォームも、背中から立ち上る気合も、醸し出す雰囲気もまるで違う馬に変身した」と語り、その雰囲気はまるで「フツーの女の子が、ヒロインに変身する人気アニメのような変わり方」と独自の表現で同馬を評価した。2週連続でG1に乗れずに留守番役が続いたが、有力馬で挑める今回は武豊騎手にとってもG1制覇を果たす絶好のチャンス。ここは本気度も高いはずだ。
今回も末にかける競馬となりそうなだけに、最後の直線までにしっかりと変身できる体勢を整えることができるかどうかがカギとなりそうだ。理想は真ん中よりも外枠でハイペースの競馬。枠や馬場を見て好材料がさらに増えるようなら、今回も好勝負が期待できる。