20日(日)中山のメインレースは第65回スプリングS。3着内の馬には皐月賞の優先出走権が与えられ、クラシックへ駒を進めるための重要な一戦である。レベルが高かった先週の弥生賞に比べるとややメンバーの格は下がった印象だが、やはりクラシックが視野に入っているだけに本気度の高い馬は多く、注目度は高い一戦。
今回出走馬11頭中、重賞ホルダーはロードクエストとドレッドノータスの2頭のみ。ドレッドノータスは前走の京都2歳Sを優勝して重賞初制覇をあげたばかり。デビューから手綱を握る武豊騎手との相性はバツグンで、スプリングSでも引き続き武豊騎手とのコンビで挑むことになる。ロードクエストはデビュー2戦目で挑んだ新潟2歳Sを優勝して重賞初制覇を達成し、前走のホープフルSでも2着に健闘しており、数少ないマツリダゴッホ産駒ということもあって期待感も高い。
今回未勝利や条件戦を勝ち上がってきた馬ばかりで、人気は間違いなくこの2頭に集中するだろう。とくに重賞戦で連続好走中のロードクエストは1番人気が濃厚であり、1桁台のオッズとなってもおかしくない。この上位2頭の相手となる手応えのある馬は果たしているのだろうか?
二代目”芦毛の怪物”?マウントロブソンが待ったをかけるか?
実績がないだけで実は中には強そうな馬もチラホラといる。芦毛のディープインパクト産駒、マウントロブソンはそのうちの一頭だ。
未勝利戦では後に共同通信杯を優勝したディーマジェスティに敗れて2着に惜敗しているが、ほとんど差の無い決着だったことを考えればこの馬も重賞でも十分勝負できる力はあるだろう。優勝した前走のあすなろ賞はさらに高く評価できる内容であった。スタートは挟まれて後退し後方2番手から競馬をすすめたが、3~4コーナーで外から一気にマクっていって直線手前で3番手まで浮上。直線でも脚色は鈍ることなく伸びていき、先頭馬を交わしてゴールした。
皐月賞へ向けての優勝候補は何頭がいるがまだ勝負付けは済んでおらず、この馬が待ったをかければ本番はいっそう面白い展開になりそうだ。スプリングSで距離短縮となる初の1800mを克服し、ロードクエストやドレッドノータスを相手に快勝することができれば、弥生賞から来るいわゆる3強とも本番皐月賞では立派に渡り合えるのではないだろうか。芦毛で馬体も大きく、迫力のあるその走りは芦毛の怪物と呼ばれた名馬を彷彿とさせる。この馬のクラシックへ向けての快進撃はここから始まるのかもしれない。