26日のUAEドバイダービー(G2)でラニ(牡3歳、栗東・松永幹厩舎)に騎乗した武豊騎手は、ゴール前での叩き合いを制して海外のG2で重賞初勝利を飾った。ドバイで鮮烈な騎乗を見せた大ベテランが、今週は大阪杯(G2)で菊花賞馬のキタサンブラックと初タッグを組む。主戦騎手の北村騎手が怪我のため代打にと選ばれたわけだが、豪華すぎる名手と名馬のコンビには期待せざるを得ない。
実績馬なのになぜか1番人気に推されない不思議な馬
今年2016の始動戦となるキタサンブラックは、昨年の有馬記念(3着)からの休み明け。後に控える天皇賞・春(G1、5月1日)と宝塚記念(G1、6月26日)に向けていよいよ動き始めた。今年の4歳馬はドゥラメンテ、リアルスティール、ベルーフ、ダノンプラチナ、ヤマカツエースといった猛者が揃っており層が厚い。個性派が揃う中で、比較的地味で強さがイマイチ伝わりにくいという印象のキタサンブラック。馬主がサブちゃんこと北島三郎で知名度もあり、菊花賞優勝、有馬記念でも3着に健闘と優秀な実績を持っているにもかかわらず、これまで一度も一番人気に推されたことがないというのだから驚きだ。弱点が少なく走りは安定しており、総合力の高さがウリ。馬券を買う側としてはオッズに妙味があって毎回買いやすくて助かっているが、初コンビの騎手に初の阪神と買いづらい要素もある。
とは言え、有馬記念でも代打を務めた横山典弘騎手と初コンビで3着に健闘しているし、掛かり癖もない利口な馬なので、当たりの柔らかい武豊騎手なら問題はなさそうだ。阪神コースは宝塚記念を目指すなら一度は走っておきたいし、宝塚記念へ向けての試金石の一戦となりそうだ。常に人気よりも上の順位に入ってくる優秀な馬で、今回も周囲の不安を払拭する走りに期待したい。