【東海S予想2019】インティ✖武豊、ペースを作っていく意識が必要

翌月に行われるG1の「フェブラリーS」の前哨戦ということもあり、例年力のある面々が揃う「東海S」。今年も本格化を迎えた4歳・5歳世代の実力馬が複数揃ったという印象だが、中でも注目しているのが目下5連勝中と波に乗る5歳馬のインティだ。

2017年4月に阪神のダート1800mでデビューしたが、スタートで出遅れて最後の伸びず届かずの9着と散々な結果であった。人気も6番人気と前評判はそこまで高い馬ではなかったが、なんと未勝利からは負けなしの快進撃。5戦中3戦は逃げ切り勝ちで、5戦全てで上がり最速。そのいずれも7馬身、4馬身、4馬身、10馬身、5馬身差と大差をつける内容であった。まさに堂々たる王者の競馬で、新たな時代の到来を感じさせるものだった。

近3戦は武豊騎手が手綱を握っており、名手と共に一気にオープンまで駆け上がってきた。新星インティにとって今回が重賞初挑戦となるが、今後のダート界を背負う存在になる可能性すら秘めているだけに、大舞台ではどんなパフォーマンスを見せてくれるのかと期待を胸に膨らませているファンも多いだろう。

同馬を管理する野中師によると「エンジンはすごいけど、まだボディーがついてきていない」ということで、「期待よりも不安の方が多い」と慎重な姿勢を示しているが、これまでのパフォーマンスを見て期待するなという方が無理な話である。素材的にはかなり期待したくなる逸材だ。

中京1800mは3走前の500万下で経験済み。スタートはそこまでだったが、二の足で2列目に取り付き先行策。3~4角で外から先頭に並びかけ直線へ出されると、しっかりと伸びて先頭に立ち、そのままラストまでしぶとく踏ん張って後続を突き放しての圧勝だった。

中京のダート1800mは坂スタートとなっているので、好スタートを決めてきた他のレースと比べると序盤の内容はそこまでという印象だったが、二の足で取り付いて先行し、勝負所でも外から勝ちに行って上がり最速を叩き出しているあたりは流石である。これが重賞でも通用するかどうか、スムーズに先行できるかどうか、というあたりが予想のポイントとなりそうだ。

今回同系にはスマハマがいるが、あちらも同じく重賞初挑戦で、さらに約8か月の休養明けと不安もある。ただ、重賞は初挑戦でもオメガパフュームやグリムといった強敵と戦ってきており経験値は上。順調に使われてきているという点ではインティにも分があるので、この2頭が序盤でどう出るかも見どころの一つとなりそうだ。

いずれにせよ、ペースを作っていく意識は必須。枠によるところもあるが、前での積極的な競馬に期待したい。いきなりの重賞挑戦でも、個人的にはどんなレースをするか楽しみの方が大きい一頭だ。