"残念ダービー"なら勝てるか?ラジオNIKKEI賞に挑むアンビシャス。

プリンシパルSを豪脚で差し切ったアンビシャス

夏の福島競馬の開幕週メーンは3歳馬のハンデ戦、ラジオNIKKEI賞(GⅢ、芝1800m、7月5日)だ。同レースに登録している馬で、日本ダービーの優先出走権がありながらそれを回避して出走する予定の注目馬がいる。音無厩舎のアンビシャス(牡3・栗東)だ。
5月に東京で行われた前走のプリンシパルS(OP)で優勝し、日本ダービーへの優先出走権を手に入れた。不利な外枠からの競馬で向正面ではハミを噛んでかかっていたが、4角では折り合い直線ではラスト200mで一気にスパートして快勝した。1000mを59.3のペースで引っかかりながら追走したにも関わらず、上がり最速という強い勝ち方であった。

なぜ日本ダービーではなくラジオNIKKEI賞に?

その勝ちっぷりから日本ダービーでも好走が期待されたが、日本ダービーは回避して秋は毎日王冠(GⅡ、東京芝1800m、10月11日)からの始動を目標にし、夏はラジオNIKKEI賞の参戦を視野に入れて進めることを明らかにした。
勝てるレースにまわったという印象だが、そもそも最初の目標がNHKマイルで、これを賞金不足で除外されたためにプリンシパルSに出走したという経緯があるので、日本ダービーは初めから予定になかったのである。調教師である音無師より距離不安と短期間での2度の遠征を嫌うコメントもあったことから日本ダービー回避は妥当な選択か。

"残念ダービー"でなら賞金加算確実か

"残念ダービー"との呼ばれるラジオNIKKEI賞でなら日本ダービーと比べて格下相手となるし、賞金加算は確実か。"残念ダービー"と呼ばれる理由は、出走権がかかったレースに負けたり獲得賞金が足りずに日本ダービーでの活躍が叶わなかった馬が集まりやすいレースであるからである。最近ではその傾向も薄れていることからそう呼ばれることも少なくなったが、なんとも皮肉な呼び方である。
秋からは中距離からもっと短いところへといった方向性が伺えるが、今回のローテーションについては賛否両論だ。まずはラジオNIKKEI賞の登録馬を見てみよう。

出走予定馬一覧

2015年7月5日(日) 2回福島2日
第64回 ラジオNIKKEI賞(GⅢ)
福島競馬場 1800m 芝・右

馬名 性齢 斥量
アクセラレート 牡3 51.0
アッシュゴールド 牡3 56.0
アンビシャス 牡3 56.5
キャンベルジュニア 牡3 53.0
グランアルマダ 牡3 54.0
グリュイエール 牡3 55.0
ストリートキャップ 牡3 53.0
ストレンジクォーク 牡3 54.0
ストーンウェア 牡3 52.0
ナヴィオン 牡3 56.0
ブランドベルグ 牡3 53.0
ホワイトウインド 牝3 51.0
マイネルシュバリエ 牡3 54.0
マルターズアポジー 牡3 53.0
ミュゼゴースト 牡3 55.0
ムーンクレスト 牡3 54.0
レアリスタ 牡3 54.0
ロジチャリス 牡3 54.0

アンビシャスの斥量はトップハンデの56.5kg。背負わされるのをわかっていながらこのレースを選んだからには陣営はよほど自信があるのだろうか。どちらにせよ3着以内は必須条件といったところ。しかしこの斥量で勝てるのか?ラジオNIKKEI賞で1~3着に入った馬の斥量を過去10年分まとめてみた。

1~3着の馬(過去10年のデータ)

1~3着 性齢 斥量
2006 1着-タマモサポート
2着-ソングオブウインド
3着-ステラマドレード
牡3
牡3
牝3
54.0
54.0
51.0
2007 1着-ロックドゥカンブ
2着-スクリーンヒーロー
3着-イクスキューズ
牡3
牡3
牝3
52.0
54.0
56.0
2008 1着-レオマイスター
2着-ノットアローン
3着-ダイバーシティ
牡3
牡3
牡3
53.0
57.0
53.0
2009 1着-ストロングガルーダ
2着-サニーサンデー
3着-ストロングリターン
牡3
牡3
牡3
56.0
53.0
55.0
2010 1着-アロマカフェ
2着-クォークスター
3着-レト
牡3
牡3
牡3
55.0
55.0
55.0
2011 1着-フレールジャック
2着-マイネルラクリマ
3着-カフナ
牡3
牡3
牡3
54.0
56.0
55.0
2012 1着-ファイナルフォーム
2着-ヤマニンファラオ
3着-オペラダンシング
牡3
牡3
牡3
54.0
55.0
53.0
2013 1着-ケイアイチョウサン
2着-カシノピカチュウ
3着-アドマイヤドバイ
牡3
牡3
牡3
54.0
55.0
54.0
2014 1着-ウインマーレライ
2着-クラリティシチー
3着-ウインフェニックス
牡3
牡3
牡3
54.0
55.0
54.0

3着位内のほとんどの馬が55kg以下で、勝馬にいたっては10頭中7頭が54kg以下である。アンビシャスは今回56.5kgの斥量なので、アンビシャスと同じまたはそれ以上の斥量で3着位内に入った馬は過去10年で'08年のノットアローン(57kg)1頭のみである。データ的に見れば完全に割引の対象である。
福島芝1800mというコースは小回りで最後の直線も短く、先行馬有利で差しが決まりにくいとされているコースである。豪快な差し脚で前走を勝ったアンビシャスにとっては小回りコースにハンデにと不利な条件が多いレースとなる。アンビシャスにとってそれら全てを乗り越えて勝ち切るだけの力があるかどうかが試されるレースとなりそうだ。