週末、土曜中山のメインレースは「第34回ニュージーランドトロフィー」だ。NHKマイルCのトライアルレースとして、1~3着馬に本番への優先出走権が与えられる。3歳のマイル重賞路線の重要な一線だ。
注目はアーリントンC組の2頭、飛躍へのステップとなるか
注目はアーリントンCの上位組。勝馬のレインボーラインはテン乗りのM.デムーロ騎手とのコンビで重賞初制覇を果たした。横一線の叩き合いをハナ差で制して重賞2勝目を狙う。レインボーラインはこれまでほとんどのレースで僅差で勝ってきており、派手なパフォーマンスを見せてきているわけではないが、戦ってきた相手は重賞・オープンクラスの相手ばかりだ。競る展開を勝ち進んできた勝負根性のある馬、という印象だ。今回デムーロ騎手から内田博幸騎手へと乗り替わりとなり、またもやテン乗りの騎手に初コースと条件は変わるが、骨っぽい相手と戦ってきた戦歴は心強いプロセスである。
アーリントンC2着馬のダンツプリウスもマイル路線を歩む注目馬。関西馬ながら新潟、福島、中京、中山、京都、阪神と遠征が多く、レース数も9戦と多い。ブライアンズタイム産駒は使って強くなる印象があるが、疲れもそろそろ心配だ。とは言え、それでも掲示板を逃したのは1回のみとキチンと結果が出ており、タフで丈夫な馬である。中山のマイルは2走前のジュニアC(OP)で勝っており、トリッキーな中山をすでに経験しているのも大きな強み。
クラシックにこだわるのか、それともマイル路線でいくのかという重要な選択が迫られる時期なだけにここを選んできた馬の評価はなかなか難しい。他にもなんとしてもNHKマイルCの権利を取りたいアストラエンブレムや、アーリントンCでは8着に敗れて巻き返しを狙うボールライトニングがおり、ここも上位争いが予想される。飛び抜けた存在がいないだけにこのレースで勢力図が見えてくるかもしれない。今週は桜も満開で花見の話で盛り上がっているが、マイルのG1に向けた実力馬たちの戦いが多く見られるシーズンに入ってきて、ますます春のG1シーズンも盛り上がってきた。マイルG1への切符を手に入れるのはどの馬か、興味は尽きない。