2019年も1ヶ月が過ぎようとしており、競馬界でははやくもクラシックへと繋がる一戦「きさらぎ賞」が3日(日)に京都競馬場で開催されます。
過去の勝ち馬には菊花賞馬サトノダイヤモンドや、オークス2着のルージュバック、菊花賞3着のトーセンラーなどクラシック戦線を盛り上げた馬たちがおり、他にも、クラシックでは活躍できなかったものの、晩年に豪州へ移籍してG1・2勝をあげたトーセンスターダムや、きさらぎ賞では3着に敗れたものの、クラシック三冠を果たした名馬オルフェーヴルなどがおり、クラシックホースや海外G1馬を排出する出世レースとしても近年は注目を集めております。
今年の出走予定馬を見てみますと、実積では東スポ杯2歳S・2着のアガラスや、同レース3着のヴァンドギャルドが上位。他にも、前走のこうやまき賞を制した良血ダノンチェイサー、2戦2勝のオルフェーヴル産駒のエングレーバーなどが有力どころといったところでしょうか。
中でも個人的に注目しているのは人気のダノン軍団からの期待馬ダノンチェイサーです。父は言わずとしれた名種牡馬のディープインパクト、母はアイルランドとアメリカでG1を勝ち、イギリスでもG1で2着と活躍したサミターという血統。2017年の1歳セレクトセールにおいて2億5000万円(税抜)で取引された良血です。
中京のデビュー戦が4着、2戦目の小倉で初勝利をあげると、昇級戦の福島のきんもくせい特別ではハナ差の2着。そして前走中京のこうやまき賞で2勝目をあげ、やっと使いたいところに使える状態まで来ました。
前評判の高さの割には少々苦戦している印象はありますが、前走はこれまでの先行策から一転して控える競馬でしまいに勝負をかけ、ラストは33秒5の上がりで勝利という内容で、成長実感の動きを見せてくれましたし、今後もまだまだ期待できる一頭だと思います。
ただ、はやくからクラシックでの活躍が期待されていた馬でしたが、陣営は2歳の時点でクラシックではなくNHKマイルCを目標にすることを発表。自分からハミをとっていく前向きな気性の馬なので、マイル適性は確かに高そうです。
しかし、マイル路線なら年始のシンザン記念あたりかと予想しておりましたが、選んだのは1800mのきさらぎ賞。同馬を管理する池江調教師は「ここで折り合いがつくようならクラシックが意識できるようになる」とコメントしており、クラシックもまだ選択肢にはありそうです。折り合いは課題の一つとしてまだありますが、前走は控える競馬でしっかりとしまいの勝負ができていたので、ここでのパフォーマンスが命運を分ける形になりそうです。
東京マイルをこなしたいなら、確かに長い距離もこなせるようになっておきたいところ。同厩舎のペルシアンナイトなんかはシンザン記念からアーリントンCとマイル重賞にこだわったあと、皐月賞へと向かって2着に好走し、秋はマイル路線へ戻ってマイルCSを優勝しているので、ダノンチェイサーにも同馬のような幅のある競馬を求めているのかもしれませんね。
鞍上は近2戦で手綱を握っていた津村騎手から、デビュー戦で手綱を握った川田騎手へと乗り替わりの予定。津村騎手でも問題はないと思っておりましたが、ダノン軍団の主戦である川田騎手を乗せてきたということは、陣営の本気度も高いということ。デビュー戦では4着に敗れているコンビなだけに、川田騎手としてもここは名誉挽回といきたいところでしょう。
良血高額馬で今後への期待も高い一頭なだけに、ここでこのメンバー相手に下手な競馬をするわけにはいきません。値段に見合う、いやそれ以上の走りに期待したいところです。