【クイーンC予想2019】決め手のクロノジェネシスか?立ち回りのビーチサンバか?

桜花賞に向けた一足早い前哨戦、「クイーンC」が9日、東京競馬場で開催される。過去10年の連対馬でその後にG1を制した馬が5頭もおり、ここ最近は出世レースとしての位置づけとなっている。

今年は阪神JF2着馬クロノジェネシスと、同レース3着のビーチサンバが唯一重賞で3着内の経験がある馬ということで、2頭が人気の中心となりそうだ。他は未勝利戦を勝ち上がってきた馬がほとんどで、やはりまずはこの2頭の評価から入りたい。ということで、2頭の阪神JFのレースぶりを振り返りながら考察してみたいと思う。

クロノジェネシスは前走はスタートで出遅れ、4コーナーでも17番手と絶望的な位置だったが、直線ではただ1頭33秒台(33秒9)の上がりを使って勝ち馬ダノンファンタジーを半馬身差まで追い詰めた。ビーチサンバは真ん中枠からまずまずのスタートを決めて中団から進め、直線で差し脚を伸ばしての3着だった。こちらはスタートも悪くなく、良いポジションを取って直線もスムーズに外へ出せていた。

決め手の鋭さではクロノジェネシスが一枚上の存在だろう。クロノジェネシスはもともと先行して活躍していた馬だったが、前走はまさかの出遅れで結果的に後方からの競馬となってしまった。そんな厳しい展開にもかかわらず、上がり最速の末脚で2着まで追い上げたのは着順以上の好内容と言えるだろう。1800mと1600mの違いはあるが、2走前のアイビーSで勝った東京の舞台へ戻るのも好材料。アイビーSでは上がり最速32秒の脚も披露しており、高速馬場の長い直線は合うだろう。

一方、立ち回りではビーチサンバが上。新馬戦では序盤控えていたが、途中で好位へと上がっていき、直線で抜け出す競馬で完勝。前走は中団より前からロスのない競馬を展開し、最後の直線もしぶとく差し込んでの3着だった。位置取りはどこからでもOKとまでは言わないが、これまでのレースぶりを見る限り比較的広い範囲でレース運びができる競馬センスを感じる。元騎手で競馬評論家の"アンカツ"こと安藤勝己氏も、自身のツイッターアカウントで「一番いい競馬しとる。先に繋がる内容」と高評価。総合的な面で魅力のある一頭だ。

クロノジェネシスの決め手は魅力だが、前走の出遅れの懸念や斤量がビーチサンバよりも1キロ重いことを考えると、馬券的に買いやすいのはビーチサンバの方か。前走はクロノジェネシスに交わされたが、展開一つでひっくり返る程度の差。軸にするならビーチサンバの方を選びたい。

他にも、新馬戦の内容が良かったミリオンドリームズや、未勝利戦を圧勝したレッドベルディエスなどの有力馬がいるが、現時点では阪神JFの上位2頭がここでは抜けているという印象だ。2頭を中心に、3着候補を絞った馬券で勝負というのが無難かもしれない。