クラシックへと繋がる注目の一戦「共同通信杯」が10日、東京競馬場で行われる。今回注目しているのはWar Front産駒のフォッサマグナだ。
吉田和美オーナー所有ということはおそらくは外国から買い付けてきた一頭かと思われるが、日本ではまだまだ馴染みのないWar Front産駒ということで、血統評価がしにくい一頭だ。ただ、アメリカでは名種牡馬Tapitに次ぐ高額な種付料で、欧米の芝レースで活躍馬が多数出ている産駒である。
そんな前情報の少ない血統のフォッサマグナだが、中京1400mの新馬戦を断トツの上がり33秒7で一蹴。スタートは出遅れたが、外々からじわじわと好位に上がっていき、直線を向く頃には2列目あたりまで押し上げていき先行勢を射程圏に。そこからは何とノーステッキで外から突き抜け、2着の逃げ馬に2馬身半差をつける完勝だった。
スタート直後は躓いたが、その後はしっかりと折り合っており、直線でも終盤でようやくエンジンがかかり、もう一段加速する様な脚色だった。鞍上のC.ルメール騎手もレース後に「馬の後ろでリラックスしてだんだん加速していった。距離はもう少し延びてもいい」とコメントしているように、長い距離の舞台でも活躍できる可能性を感じさせてくれた。
前走から2ハロンの距離延長となるが、直線の長い東京コースは相性が良さそうだし、折り合いもつき操縦性も高そうな同馬にとって、広い東京コースはパフォーマンスも発揮しやすいだろう。今回は無敗のG1馬アドマイヤマーズや京都2歳Sの勝ち馬クラージュゲリエなどがおり、一気に相手は強くなるが、前走逃げて2着に粘ったランスオブプラーナはその後1800mのきさらぎ賞でも3着に粘っており、3着馬も順調に勝ち上がっている。そんなメンバーをノーステッキで楽々快勝したフォッサマグナなら、ここでも十分好勝負が期待できるだろう。
日本ではまだ活躍していない血統の馬だが、いきなり重賞制覇もありえる一頭として、注目したい。