小倉競馬の一発目の重賞は芝1800mで行われるハンデG3の「小倉大賞典」。ローカルのハンデ重賞ということでスターホースの参戦は少ないが、例年混戦模様で予想のし甲斐があるレースである。過去10年で10万馬券以上が5回と波乱も多く、馬券的にも魅力的なレースにもなっている。今年も人気が割れそうなメンバー構成となっているが、今回はその中でも注目度の高い有力馬を3頭ピックアップしてみた。
スティッフェリオ(牡5、音無秀孝厩舎)
昨年11月に行われた福島記念では、速いペースを先行して押し切り重賞初制覇を達成した。内枠から好位につけ、速いペースの中でうまく脚を溜めて抜け出す競馬での勝利だった。夏の札幌のTVh賞を制した際も、番手から直線で抜け出し、迫る1番人気プロフェットを封じて勝利した。TVh賞の後の札幌記念では、サングレーザー、マカヒキ、モズカッチャンなどの強敵相手に小差の5着に入っており、まだまだ上を目指せそうな一頭。小倉は今回が初となるが、先行して粘り込むスタイルは小回りコースと合いそうだ。
マイスタイル(牡5、昆貢厩舎)
昨年の2勝は全て逃げてのもの。秋初戦の福島記念では番手からの競馬で粘るもスティッフェリオに交わされるも2着に善戦。12月に行われた中日新聞杯は逃げて8着に敗れるが、年明け初戦の京都金杯では3番手の好位から抜け出して3着に善戦した。スティッフェリオと同様にスピードを活かす競馬が得意で、早目の競馬で持久力勝負に持ち込むのがこの馬のスタイル。ただ、2000mでも行きたがる同馬がマイルの前走では意識的に控える競馬ができており、スローでも我慢出来た点は高評価。競馬の幅が広がったと言える一戦だった。今回は1ハロン延長の1800mとなるが、問題は無さそうだ。重賞はこれまで3度の2着があり、あと一歩のところまで来ている。小倉は初だが小回りの舞台は合いそうだ。
タニノフランケル(牡4、角居勝彦厩舎)
前走の中山金杯では逃げ粘って3着に好走。軽ハンデの恩恵や軽い馬場といった好条件がハマったことも大きいが、なかなかの粘り腰を見せてくれた。小倉は昨年夏の西武スポニチ賞で2着馬カフジバンガードをおさえて逃げ切り勝ちを果たした舞台で、1戦1勝。前を行く馬が好走しやすいコースでもあり、開幕2週目の馬場も同馬に向く可能性が高い。今回はマイスタイルにマウントゴールドといった行きたい馬が揃っているので、先手を奪えるかどうかが鍵となりそうだ。展開を左右する重要な馬となりそうなだけに、注目したい一頭。
上記でも記したように、今回はマイスタイルやタニノフランケルに加え、中山金杯では出遅れて先手を奪えなかったマウントゴールドなど、前に行きたい馬が多数いる。波乱傾向の強い一戦なだけに、人気薄の差し馬が台頭してくる可能性も十分考えられ、今年も予想し甲斐があるレースとなっている。上記であげたような有力馬だけでなく、穴馬にも十分注意したいところである。