2日土曜は桜花賞トライアルの「チューリップ賞」が阪神競馬場で行われる。昨年はラッキーライラックが単勝オッズ1.8倍の人気に見事に応えて快勝し、一昨年は1.5倍の1番人気ソウルスターリングが優勝した。ラッキーライラックはその後の桜花賞で2着、オークスでは3着に入選。ソウルスターリングは桜花賞で3着、オークス優勝といずれもその後の牝馬クラシック路線で活躍した。
他にも、2014年のハープスターや2011年のレーヴディソール、2009年のブエナビスタなど、抜けた人気馬が強い勝ち方でしっかりと勝ち切るというケースが多く見られ、実際その後の大舞台でも活躍している馬が多くいることからも、牝馬クラシック路線を占う上でも見逃せない一戦だ。
今年の優勝候補の最右翼は現在重賞2連勝中のダノンファンタジーだ。2走前のファンタジーSでは余裕を持ちながら外から鮮やかに差し切り、前走の阪神JFでは外から豪快に差し切って快勝した。脚質は前付けでも後ろからでもOKで、ある程度流れる展開ではもちろん、スローでも動いていけるし、力の要る馬場でも走れるという総合力の高さがある馬だ。阪神コースは2戦2勝でいずれもマイルでのもの。チューリップ賞が行われる阪神マイルは絶好の舞台と言っていいだろう。
今回メンバー的に強い相手と言えそうなのは阪神JF・4着のシェーングランツくらいだろうか。エンジンのかかりが遅くジリジリと伸びてくる脚質で、器用さの面でもダノンファンタジーには劣るが、中距離以上で活きてきそうなタイプなだけにオークスあたりでは立場が逆転するということもありそうな一頭。いずれにせよ、ダノンファンタジーもシェーングランツもここは叩き台となる。
仕上げの面では権利取りに必死な馬たちの方が魅力的に見えるが、近年はクラシックを見据えた人気馬が7,8分の仕上りで状態が不安視されながらもあっさり勝つという内容のレースが続いている。叩きでも阪神JFの上位組を中心視するのがセオリーと言えよう。
持続力がありそうなシェーングランツの末脚も魅力だが、前走までのレースを見る限りではダノンファンタジーの方が評価は上。ここは素直にダノンファンタジーを中心視し、例年の傾向通り、人気馬を信頼した馬券で挑みたい。あとはシェーングランツの取捨、そして状態が万全な伏兵からも面白い馬を選んで楽しみたいと思う。