クリノガウディーが回避したことで10頭立てとなった今年の「弥生賞」。例年通りの少頭数となったが、今年は実績的には重賞2勝、ホープフルS・3着のニシノデイジーが優勝候補の最右翼だろう。
前走のホープフルSは1000m通過62.5秒というスローペース。瞬発力勝負では分が悪く、さらに直線では狭いスペースで進路がなくなる不利もあった。今回もメンバー構成や頭数的にスローとなる可能性が高そうだが、それ以上に心配なのが同馬の"気性"だ。
1週前の追い切りではのっけから行きたがる面を見せ、併せ馬を3~4コーナーで早々にパスすると、最終的に単走で追い切るかたちとなってしまった。いっぱいに追われて82秒4秒-12秒7と時計はまずまずだが、かかり気味で手綱を握った勝浦騎手も無理に御さずに馬を行かせるという、内容的にはやや不安が残る動きである。
2歳の時は馬道で立ち上がったり暴走したりしていたというエピソードもある馬で、もともと気性が良いタイプの馬ではない。ある競馬ニュースメディアにて勝浦騎手は「可能なら逃げることも今後あるかも」とも語っており、逃げる可能性も示唆している。気性的にもだが、ピッチ走法という走り方からも1800mあたりまでが良さそうなイメージで、2000m持つのかどうかという不安はある。そんな中で逃げてしまえばなおさら厳しいのではないだろうか。
開幕2週目の中山で2000mの少頭数という条件で、逃げる可能性もある気性の差し馬に乗り、瞬発力勝負にしないような競馬を心がけるというのはなかなか難しそうだ。人気を集める強い馬で、マークももちろん厳しくなるだろう。個人的には勝浦騎手を応援したいところではあるが、少々荷が重いと感じるのは筆者だけだろうか。
実績的にはここではナンバーワンだが、戦ってきた相手のレベルは驚くほど強いというわけでもない。ここまで3着内を外していない安定感は魅力だが、まだ好走条件が嵌りそうでない限りは重い印は打てなそうだ。