【アイビスSD】セン馬フレイムヘイローの"漢らしさ"

フレイムヘイローという馬を知っているか?

灼眼のシャナが真っ先に思い浮かんだオタク諸君はメロンパンでも食べてなさい。

コアな競馬ファンは知っているかもしれないが、ほとんどの人は知らないだろう。

フレイムヘイローは主に1200m~1600mの条件戦・準OP戦を主戦場とする蛯名厩舎所属のセン馬である。今年で7歳になるがまだまだ現役バリバリのスプリンターだ。とは言ってもまだまだ無名の馬である。重賞レースには2回出走しているがCBC賞(G3)で11着、東京新聞杯(G3)で14着と残念な結果で、その名を覚えている者はほとんどいないだろう。

実は筆者もこの馬のことを知ったのはつい最近だ。

今年の5月に新潟でとあるレースが開催された。韋駄天ステークス(OP・新潟芝1000m)である。…ん?新潟芝1000m?…そう、お気づきだろうか?このレースは今週末に新潟で開催されるアイビスサマーダッシュと同じコース・同じ距離で行われ、同レースの前哨戦としても有名なレースなのである。

まずアイビスサマーダッシュや韋駄天ステークスが行われる新潟の1000mというコースについて簡単に紹介したいと思う。この新潟の1000mというコースはコーナーが一つもない直線だけのレースである。車でいうドラッグレースみたいなものだ。筆者はこの"直線だけの"レースが大好きなのである。

なんというか…"漢気"を感じるのである。

コーナーでの立ち回りの上手さ?
インでロスなく回れる巧みさ?
小回りに対応できる器用さ?

かったりぃぃいいいい!!
漢なら直線で脚ぃ千切れるまで勝負じゃぁ!

と言わんばかりの真っ向勝負っぷり。この暑い時期にはピッタリの熱いレースではないだろうか。"韋駄天ステークス"というレースの名称も昔の"韋駄天ターボ"の愛称を持つスカーレットターボを思い出させる。
そんな話はともかくとして、5月に行われたこの韋駄天ステークスを勝ったのがこのフレイムヘイローという馬なのだ。序盤は先頭集団のすぐ後ろを追っていたが、前が空いている方へ横移動し、前方がオールクリアになったところをジワジワと脚を伸ばして最後は1/2馬身差をつけて勝利した。馬も初の1000m直線を体験したわけだが、「ん?ナンダコレ、いつもと違う。いっちゃえ」みたいな感じでそのままゴール。16頭中15番人気という低評価を覆し、WIN5を荒らして颯爽と新潟の芝を駆け抜けていったのだ。

フレイムヘイローはこれで全27戦し、6勝目をあげた。ちらほらと勝ち星はあげているのだが、この馬の面白いところは2・3着に入着したことが1度も無いというところだ。勝つか大敗するかの両極端である。ちなみに韋駄天ステークスの次のレースではまた大敗している(CBC賞・11着)。

さすが"漢らしい"レースを勝つ馬は戦歴も"漢らしい"。セン馬だが。

果たして初の"直千"レースで新境地は開けただろうか。今週末は韋駄天ステークスと同じ舞台である新潟芝1000mに戻ってくる。アイビスサマーダッシュは重賞戦だしメンバーも強化されるし斥量も上がる。条件的には厳しいのは間違いないし、当日もおそらくこの馬のことだからいつものように人気しないだろう。
しかし、そんな超絶不人気愛馬フレイムヘイローがもし万が一勝った時はぜひとも一緒に喜びたい。小細工なしに挑むこの条件に合わせて、今週末は彼の単勝馬券に夢をのせてみてはどうだろうか。