はやいもので2019年ももう3月。あと2ヶ月で平成も終わりとなりますが、平成最後の大型万馬券を狙うなら「中山牝馬S」はうってつけのレースと言えるでしょう。
ヴィクトリアマイルへの重要な前哨戦として知られる牝馬限定のハンデG3「中山牝馬S」。同競走は過去10年で1番人気が1勝のみ、3連単で10万馬券以上が5回、そのうち2回は100万馬券以上という波乱傾向が非常に強いレースです。例年穴馬選びが楽しみな一戦でもあり、今年も高配当を狙った馬券で楽しみたいと思います。
とは言え、まずは有力馬からの考察が基本。今回は人気が予想される有力馬4頭を考察したいと思います。
ミッキーチャーム(牝4、中内田充厩舎)
全3勝のうち2勝は逃げ切り勝ちで、残りの1回も番手からのもの。前走の秋華賞でも果敢に逃げて2着に粘りました。直線では別格の強さを見せた勝ち馬アーモンドアイにゴール前で交わされたものの、初のG1であわやの場面を作ったミッキーチャームも立派な競馬を見せてくれました。アーモンドアイとの着差や秋華賞2着という実績からもここは人気となりそうですが、今回はカワキタエンカやクロコスミア、ウインファビラス、ランドネといった同型が多数揃っているため、楽な競馬になりにくいでしょう。さらに中山コースは今回が初で、約5ヶ月の休み明けと不安も少なくありません。個人的には小回りの1800mは同馬にとって脚質的にベストな舞台と考えますが、初コースで同型が多い今回は危険な人気馬とも判断できるため、慎重に取捨を決めたいところです。
ノームコア(牝4、萩原清厩舎)
重賞は5戦して「1-1-2-1」と好成績。負けた1回もG1のエリザベス女王杯で5着と善戦の内容です。基本、好位からの競馬の馬ですが、始動戦となった前走の愛知杯ではスタートで躓き10番手から控える競馬となり、レースもスローペースで、勝ち馬を交わせず2着に惜敗しました。ただ、不慣れな後方からの競馬でも上がり最速33秒5の脚を披露し、勝ち馬とは0.1秒差と好内容。競馬の幅も広がった一戦であったと言えるでしょう。中山コースは「2-0-1-0」と相性も良く、3走前の紫苑Sでは先行して抜け出す競馬で快勝。今回出走するランドネ(3着)にも3馬身半の差をつけており、このあたりの勝負付けも済んだと見るファンも少なくないでしょう。前走は後方からの競馬でも善戦しましたが、すんなり先行できれば残る可能性は高そうです。
アドマイヤリード(牝6、須貝尚介厩舎)
この中山牝馬Sがラストランとなるアドマイヤリード。2017年のヴィクトリアマイルを勝利して以来勝ち星から遠ざかっておりましたが、2走前のディセンバーSを勝利し、約1年半ぶりに白星をあげました。始動戦となった前走の中山金杯でも牡馬相手に0.1秒差の4着と健闘しており、ここへきて調子を上げてきました。中山コースで2戦連続好走しており、前がやり合う可能性が高い今回は展開も向きそうです。繁殖のことを考えるとここは無理な仕上げ、無茶なレースはしてこない可能性が高いですが、陣営の思いとは無関係に激走する可能性も。
クロコスミア(牝6、西浦勝一厩舎)
前走の香港ヴァーズは14頭中10着に終わったクロコスミア。2走前のエリザベス女王杯では2着に逃げ粘り、2年連続2着となりました。同型が多かったエリザベス女王杯で先手を取って好走していることから、今回も要注意したいところです。中山コースは2016年のターコイズS(14着)の一度のみで適性は皆無に等しいですが、力の要る馬場は得意で、今回はハンデも55キロと恵まれた感があります。先手を取れれば好走してもおかしくないでしょう。同型が多く、コース経験も少なく、海外帰りの休み明けということで不安材料は少なくないですが、大舞台でも波乱を演じてきた1頭なだけに注意したい1頭です。
以上、4頭の有力馬を簡単に考察いたしましたが、いずれも絶対的な信頼を置くには心許ないといった印象です。伏兵馬にも十分付け入る隙があるだけに、今年も波乱の要素は十分と考えます。