今週17日(日)の阪神メインは天皇賞春の前哨戦「阪神大賞典」だ。昨年の勝ち馬レインボーラインは天皇賞春を優勝し、一昨年の勝ち馬サトノダイヤモンドは3着、2016年の勝ち馬シュヴァルグランも3着、2015年の勝ち馬ゴールドシップは優勝と、現在4年連続で同競走の勝ち馬が天皇賞春で馬券圏内に入っており、前哨戦としての重要度はかなり高い一戦と言えよう。
その勝ち馬4頭中3頭は1番人気だった馬で、過去10年においても1番人気は「5-2-2-1」で馬券圏内率は90%と好成績だ。1番人気の信頼度が高い一戦なだけに、今年も上位人気に推される可能性が高い馬からまずは予想していきたい。
今年の阪神大賞典の優勝候補の最右翼は1月のアメリカJCCで復活Vを果たしたシャケトラだろう。
2017の有馬記念のあとに骨折が判明したシャケトラは、約1年1ヶ月の長期休養を余儀なくされた。復帰戦となった前走のアメリカJCCでは久々ということもあり7番人気と低評価だったが、レースでは好位から気迫あふれる立ち回りを披露し、ゴール前で菊花賞馬フィエールマンに競り勝ち、復活を高らかにアピールした。
休養前は日経賞を制し、宝塚記念でも4着に善戦するなど元々ポテンシャルは高い馬で、前走では長い休養を感じさせない力強い競馬を見せてくれた。レース後も状態は順調で、1週前の追い切りではCWコースで5F69.0-11.9秒と上々のスパートをかけ、併走馬を3馬身も突き放しており、良化の度合いも良さそうだ。
個人的にはアメリカJCCまでは切れる脚を使うというイメージはあまり無かった馬なので、長期休暇を感じさせない動きにももちろん驚かされたが、意外に切れる脚にも驚かされた。人気馬のフィエールマンも不利があったというわけではなく、むしろ展開的にはこの馬向きの競馬であったことから、実力は本物と見て良さそうだ。
アメリカJCCはもともと戸崎圭太騎手が騎乗予定であったが、インフルエンザのため石橋脩騎手へと乗り替わり、石橋騎手がしっかりと代打の役目を果たしたかたちとなった。今回はやっと戸崎騎手とのコンビが実現されるわけだが、3000mの長距離ともなれば騎手の手腕が大きく問われるところ。戸崎騎手としても前走で復活Vを果たしてくれた石橋騎手からのタスキを繋ぐためにも、ここは無様な競馬は見せたくないだろう。
とは言え、シャケトラは2017年の天皇賞春では9着に敗れており、明らかに距離が長かったという印象が強い。長いところではあまり強くは買いづらい1頭というのが筆者の見解で、長距離の重賞でさらに鞍上がテン乗りとなると信頼度も落ちる。前走で終いの切れる脚があることはわかったが、力が発揮しにくい条件が多いなら、割り引くことも考えたい。
復帰初戦から強い競馬を見せ、好スタートを切ったシャケトラ。今回は他にも、昨年のステイヤーズSを勝ったリッジマンや、同2着のアドマイヤエイカンなどが人気を集めそうだが、いずれもステイヤーズS後のレースでは大敗しており、勢いや上昇度ではシャケトラが上か。伏兵扱いだった前走とは打って変わって今回は人気を集めることになりそうだが、果たして人気に応えることはできるのか?取捨は慎重に見極めたい。