昨年のドバイターフでは5頭の日本馬が出走し、掲示板内に3頭の日本馬が入るなどの快挙を成し遂げましたが、肝心の勝ち星を挙げることは出来ませんでした。ドバイターフは過去に4頭の日本馬が優勝しており、2014年にはジャスタウェイがコースレコードを記録するなど日本馬の活躍が非常に目立っております。今年は現在の日本の競馬界を牽引する最強馬・アーモンドアイが出走するということで例年以上の期待がかかっていると言って良いのではないでしょうか。
英国最大のブックメーカーであるWilliam Hillではすでにオッズが出ており、記事寄稿時点ではアーモンドアイが2.10のオッズをマークし、1番人気に推されております。先月は3.00というオッズでしたが、昨年の勝ち馬であるベンバトルが出走を回避したことで人気はさらにアーモンドアイに集まるかたちとなったようです。
さて、このように海外でも評価の高いアーモンドアイですが、果たして海外でも国内同様に高いパフォーマンスを見せてくれるのかどうか。20日にはすでに出国して翌21日には現地入りしたようで、無事に到着して落ち着きもあると報じられております。
海外競馬の適性についてですが、まずは改めてジャパンCの内容を振り返ってみたいと思います。レースは超高速馬場で息も入れずに早めに仕掛けるという強気な競馬で、2着馬のキセキに1馬身差以上つけてゴールしました。消耗度の激しいこの一戦で長く脚を使っての完勝という内容は非常に強い勝ち方ですし、もともと力の要る馬場も苦にしないタイプですので、アーモンドアイの海外遠征は早い段階から見てみたいと思っており、個人的には陣営の遠征決断は英断であると考えております。馬の能力については十分世界で通用するものを持っておりますので、あとは精神的な面で海外の環境に適応できれば、正直他にこれといって大きな不安はありません。
昨年のドバイターフを振り返ってみますと、レースは前傾ラップ気味で、後方外から伸びたヴィブロスが2着、中団馬群で我慢しながら直線で外から伸びたリアルスティールが3着に入線しました。勝ち馬のベンバトルは先行して突き抜けての完勝でしたが、アーモンドアイもジャパンCでの走りを見る限りこうした競馬はできそうですし、デビューから手綱を握るルメール騎手ならしっかり意識付けもできるでしょう。
昨年の2着馬のヴィブロスや、リアルスティールと同率3着のディアドラは今年も参戦する予定となっておりますが、いずれも海外へはすでに2回以上遠征しており、海外遠征も慣れたものでしょう。ヴィブロスに関してはドバイターフは今年で3度目で、過去の2回も1,2着と連対を外しておりません。昨年はドバイシーマクラシックに出走したモズカッチャンとも向かいの馬房だったということもあり、精神面の不安はだいぶ解消されていたと思われます。前走は香港マイルで2着に善戦しており、海外マイルG1のスペシャリストという印象が近年強くなってきたという印象があります。
アーモンドアイはの最大の敵は環境、つまりは自分自身、と言いたいところですが、実は同じ日本馬のヴィブロスだったということも考えられなくはないですね。もちろんアーモンドアイ陣営も海外の環境に適応させるために何かしらの対策を行っているとは思いますが、ヴィブロスの"3度目の正直"にも期待してレースを楽しみにしたいと思います。