昨年は通算19回目の挑戦で初めてのダービー制覇を果たした福永騎手。"ダービージョッキー"の称号をプレゼントしてくれた愛馬ワグネリアンとはダービーぶりの騎乗となります。前走の神戸新聞杯では落馬による負傷のため藤岡康太騎手が代打で騎乗し、見事勝利を果たしました。今回は久々の騎乗ということもあり、福永騎手も同馬の"成長力"が気になるところではないでしょうか。
まずは前走の神戸新聞杯を振り返ってみますと、レースは中団からの控える競馬。ペースはスローでしたが、縦長となり意外とマークも厳しくはなかったので、大きく折り合いを欠くことなく進めることができました。3コーナーで間隔が詰まってきたところで外から押し上げ、好位で迎えた直線ではしぶとく伸びて粘る逃げ馬を捉えると、後ろから猛追してくるエタリオウをしっかり封じて勝利しました。
馬体重はプラス10キロでしたが、直線のトップスピードの持続力は健在でしたし、仕上り面は順調。あまり窮屈な競馬とならなかったので"成長力"と言えるかは断定できませんが、折り合い面に関しても自らハミを取っていたわりには騎手とケンカするような素振りは全く見せませんでした。弥生賞では入れ込みやコーナリングでの動きの悪さが見られましたので、春の頃に比べたらしっかりと成長しております。
馬体は前走時ですでにボリュームが増した感が出ておりましたが、今回はどれだけ変わっているのかも注目です。1週前追い切りで手綱を握った大江助手によると、「体は大きくなり、カイ食いもいいので調教をしても体が減らなくなった」ということですので、休養明けということも考えればかなり増えている可能性も高そうです。
疲れが取れずに天皇賞秋を回避しており、今回は約6ヶ月の休養明け。仕上りも悪く成長力も無いならここは危険な人気馬となりますので、状態についてはとくに注視しておく必要があると感じます。
馬体の仕上りも気になるところではありますが、今回はきついコーナーの阪神内回り2000mが舞台ということで、個人的にはコーナリング力がどこまで成長しているかなども気になるところです。もちろん枠順によって問われるコーナリング力の度合いが変わってくるので、現段階では何とも言えませんが、唯一の2敗が内回りの中山の2戦なので同馬の適性を把握する上でもしっかりと見ておきたいと思います。
福永騎手にとっては久々のコンビ復活で好走し、再び好感触をつかみたいところ。先週は高松宮記念をミスターメロディで制し、早くも今年1つ目のG1タイトルを獲得した福永騎手。2週連続G1制覇となるのかに注目です。