天皇賞・春における逃げ馬の成績は「2-0-0-10」。基本的に天皇賞・春では極端な競馬をする馬は割り引いて考えたいが、04年のイングランディーレや12年のビートブラックなど波乱を演出した例もある。例年と比較するとやや手薄なメンバーとなった今年は、人気薄の逃げ馬の存在にはとくに警戒したい。
今年注目しているのは西村真幸厩舎の伏兵、ヴォージュだ。西村師は24日、「今回、前に行くのはロードヴァンドールぐらいでしょう。ならば、こっちが主張できると思う。この馬は前後に馬がいると良くない。一頭だけポツンと走れる形がいい」と語り、早くも逃げ宣言を放った。マスコミを使ったけん制だとは思うが、実際、他の逃げ馬候補は番手でもいいという馬が多い。番手でもいいかと思ってくれればシメたものだろう。
ヴォージュ、メイショウテッコン、ロードヴァンドール。逃げるのはどの馬?
今回の逃げ馬候補はヴォージュ、メイショウテッコン、ロードヴァンドールの3頭だ。
メイショウテッコンは前走武豊騎手が騎乗して逃げているが、この馬は揉まれ弱いだけで、絶対にハナを切らないといけないタイプではない。鞍上も福永騎手に乗り替わりということで、テン乗りで積極策を取っていくイメージはあまり沸かない。
ロードヴァンドールは前走の阪神大賞典で途中から逃げて3着に好走しているが、半周回った1コーナーから仕掛けて先頭に立っており、序盤は同系馬に行かせている。自分のリズムが崩されなければ問題はなさそうだ。前走の内容からも、鞍上の横山騎手がここでやり合ってハナを叩いていく競馬をするのは、個人的にはあまり想像がつかない。昨年のチャレンジCで後方ポツンの前科があるのも、不審の念を抱いている原因かもしれない。いずれにせよ、一発を狙っていくならメイショウテッコンよりは前の位置で競馬をしたいだろうし、行かせて番手からの競馬というかたちで進めていく可能性が高いのではないだろうか。
となるとヴォージュが逃げて、ロードヴァンドールがこれについていくような隊列の方が想像しやすい。メイショウテッコンも行きたい口だが、前述の通り揉まれない競馬をすれば逃げる必要もない。枠順が発表されなければ何とも言えないが、外枠に入れば揉まれない位置での競馬もできるので、臨機応変に対応してくるのではないだろうか。
天皇賞・春は1枠が過去10年で「5-1-1-13」と好成績で、過去10年で3着内に入った述べ30頭中15頭は「1~3枠」の馬と内枠有利の傾向が顕著だ。穴をあけるなら前で残れるタイプで内枠に入った馬を狙いたい。逃げ馬3頭のうちどの馬が内枠に入って、その馬が外枠に入ってくるかで逃げ馬の取捨は決まりそうだ。