来る5月1日は春の長距離王者決定戦、第153回天皇賞春が開催されます。同競走が行われる京都芝3200mのコースは、基本的には平坦ですが高低差4.3mの坂を2回も越え、コーナーを6つもこなさないといけないタフなコースです。
スタミナももちろん必要ですが、長距離戦は何より折り合いが重要視されます。60kg近くある騎手を乗せて3km近く走るわけですから、道中折り合いが付かなければいくらスタミナがある馬でもどんどん体力を消耗していってしまいます。
騎手にも得意・不得意なレースがあり、短距離が上手い騎手と中・長距離が上手い騎手がいます。イン突きを得意とする岩田騎手やアグレッシブな騎乗が目立つM.デムーロ騎手はなんかは短距離向きな騎手のように思えます。逆に当たりの柔らかい武豊騎手や横山典弘騎手なんかは長距離が向いてそうに思えますね。
長距離戦で買える騎手と買えない騎手は?
さて、「長距離戦は騎手で買え」という競馬の格言がありますが、今年の天皇賞春は一体どの騎手が買いでしょうか?
天皇賞春の出走自体が初めての騎手が今年は何人かいます。勝浦正樹騎手、H.ボウマン騎手、三浦皇成騎手、吉田隼人騎手の4人です。中でも1番人気の最有力候補であるゴールドアクターの手綱を握る吉田隼人騎手は初の天皇賞春をどう乗るのか注目が集まっていますね。昨年の有馬記念を優勝して栄えあるG1ジョッキーとなったわけですが、今回は多くの騎手に目標にされるでしょうし、大きなプレッシャーを感じているかもしれません。長距離が得意というわけでもありませんし、「騎手で買え」という言葉を信じるならゴールドアクターがいくら強くても買えないことになります。このあたりの判断は非常に難しいですね。
冒頭で長距離が向いている騎手として挙げた武豊騎手なんかは天皇賞春を20戦以上も経験しており、吉田騎手からしてみれば雲の上のような存在でしょう。通算成績「6-6-4-6」という素晴らしい成績をもち、今回も昨年の菊花賞馬であるキタサンブラックという最高に折り合いの付けやすい馬で出走となります。騎手でも馬でも買いなこのコンビにとってこの天皇賞春は最高の舞台なのではないでしょうか?とは言え武豊騎手も2006年にディープインパクトで同競走を優勝して以来勝ち星はあげることはできておりません。
そんな中、2013年と2014年を優勝して連覇を達成し、天皇賞春で5戦連続掲示板内に入着している優秀な騎手がいます。武豊騎手の同期でもあり親友でもある蛯名正義騎手です。天皇賞春での成績は「3-2-1-6」とこちらも優秀。乗馬のタンタアレグリアは昨年の菊花賞で4着、2走前は3400mのダイヤモンドSで4着、そして前走は天皇賞春のステップレースである阪神大賞典で2着に入着しております。惜しい競馬が続いておりますが、間違いなく長距離適性は高い馬です。
騎手で買うなら天皇賞春で良績を持つ武豊騎手と蛯名正義騎手でしょう。さらにこの2人の乗馬も長距離適性の高いことから買える要素はさらに増します。今年の天皇賞春は武豊騎手のキタサンブラックと蛯名正義騎手のタンタアレグリアに重い印を打ち同期馬券を購入してみるのも面白いかもしれませんね。