ジョッキーも割り切りが必要。

常にリーディング争いを演じるジョッキーは当然の事ながら限られてくる。このリーディング争いを演じるには、高いレベルの騎乗秘術が求められる。武豊騎手にしか出来ない芸当と言うものが存在する。武豊騎手はラフプレーをしない。そんな武豊騎手にレース中、ラフプレーを仕掛けてしまったF騎手。当然、直ぐに青いランプがつき審議になり降着になった。両者とも次のレースでも人気馬に騎乗する。そこでF騎手は、武豊騎手に謝罪するのを忘れてしまった・・・。

武豊騎手は非常に礼節を重く考え、初対面の人間であろうが、自分より目上の人間には敬意を払う。ここが武豊騎手を人間国宝と言わせている部分だろう。そしてここからが武豊騎手のしたたかな所。パトロールビデオはいくら、全周捉えているとはいえ、必ず死角がある。それを知っているのが武豊騎手である。

問題のレースは、芝1200M。武豊騎手もF騎手も先行馬。武豊騎手は、進路妨害にならないように上手い事他の馬を巻き込む。そうするとどうなるかというと、波状攻撃で外から内に物凄い窮屈な競馬を強いられる。これをやられたらお手上げ。F騎手も豊さんには何をやっても敵わないと言わしめた。このF騎手はかなりやんちゃで、朝日杯FSでは岡部幸雄騎手に、4コーナーで暴言を吐いたりと、かなり素行に問題のあるジョッキーだったが、唯一頭の上がらない相手が武豊騎手だった。F騎手が今も現役かそうでないかは想像にお任せします。

先ほどのレースでは武豊騎手の作戦勝ちでF騎手の馬は、直線窮屈になり抜け出せず、惨敗。一方武豊騎手は涼しい顔で先頭ゴールイン。最早、神業である。このようにジョッキーの中でもかなりランクが上のジョッキーの場合は特殊スキルがある。ここでジョッキーはリーディング下位に甘んじだした時にどう考えるか?最初から全くスターダムに乗ってない騎手であれば3年か5年で調教助手に転じる事が多い。同期でG1勝利を決める人間がいるなかそっと鞭を置く。これだけは割り切っていかないと、騎手は慈善事業ではないので、収入面を考えた時に調教助手を選択するジョッキーも多い。騎手寿命は非常に短いと言っていいだろう。