短期で初来日して間もないD.レーン騎手は、1ヶ月足らずですでに重賞を3勝、うちG1を1勝と春の重賞戦線を軒並み制覇している。ルメール騎手の乗り替わりで良馬がまわってきているとは言え、初来日にも関わらずしっかりと結果を残しているのだから凄い。
今週末のオークスはフラワーカップを勝った有力馬のコントラチェックで参戦予定となっている。先週のヴィクトリアマイルに続いて、牝馬G1・2連勝となるのか。注目が集まるところだ。
コントラチェックは近2戦を逃げ切り勝ちしており、今回も逃げ馬候補として注目されている。ただ、オークスにおける逃げ馬の成績は「0-1-0-9」と不振で、逃げ切るケースがほとんどないのが同レースの特徴だ。
それでも、コントラチェックの気性を考えると抑えれば掛かる可能性が高いため、出たなりの馬任せで行かせるしかなさそうだ。レーン騎手の全てのレースを見たわけではないが、比較的「差し馬」での活躍が目立っており、平場でも逃げている印象はほとんどない。今回人馬ともに初めての東京コースで、距離も3F延長という中で、未だ見せていない逃げの競馬で2400mのG1を勝つのはなかなか難しいだろう。
そんな中でハナをきった際にレーン騎手がどのような騎乗をするのかというところは見所の一つになりそうだ。メンバーにはフラワーカップを番手で進めたジョディーも逃げ馬候補の1頭としているが、前走はスピードの違いでコントラチェックにハナをきられており、今回も追いかける立場となる可能性は高い。
しかし、今回枠番はコントラチェックが2枠3番、ジョディーは最内の1枠1番に入り、コントラチェック陣営からは「前に行きそうな馬が内に入ったので、出方を見ながらレースは組み立てやすいでしょう」とジョディーに行かせたいような内容のコメントを残している。番手をイメージをさせるコメントだが、逃げなければ掛かってしまう可能性がある馬なだけに、このあたりは理想はあれど実際スタートの出方で変わってくるだろう。
逃げ馬がオークスを勝てないのは周知のことだが、コントラチェックは控えた時の成績はほぼ圏外に飛んでおり、今回のメンバーで控える競馬は勝ちを捨てるに等しいもの。何れにせよ、スローの意識は両馬にあるだろうし、どちらが逃げても激しく競り合わない限りはペースはそこまで早くなることはなさそうだ。スローのヨーイドンの展開になると予想して、ある程度前につけていけるメンバーを中心に狙ってみるのも良いだろう。
他の逃げ馬候補や先行馬との比較でもコントラチェックの脅威となりそうな相手はそこまでいないので、比較的有利に進めることはできそうな気もするが、今回はコースが東京2400mで傾向的にも逃げ粘るケースが少ないレースということで、強くは狙い難いのが正直な見解だ。人気も上位人気は間違いので、マークも決して楽ではないはず。レーン騎手としてもここは無理にハナをきりたくはないだろうが、行かざるを得ない状況となった場合にどういう競馬を展開するのかというところも、予想のポイントとなりそうだ。