今年のダービーの優勝候補の最右翼は、何と言っても皐月賞馬のサートゥルナーリアでしょう。無傷の4連勝で皐月賞を制し、ダービーへと駒を進めてきました。
昨年はデビュー戦と2戦目の荻Sを圧勝し、3戦目のホープフルSも余力十分で快勝。年明け初戦で臨んだ皐月賞を約3ヶ月半ぶりの休み明けぶっつけで優勝し、ダービーへの期待度をさらに高めてきました。
トライアルを一戦も使わない異例のローテーションにも関わらず、皐月賞当日は単勝オッズ1.7倍の圧倒的人気を集め、結果見事にその期待に応えました。過去にぶっつけで皐月賞を制した馬はおらず、休み明けの不安や鞍上のC.ルメール騎手がテン乗りだったことなど、不安要素も少なくなかった中で勝ち切れたことは高く評価するべきでしょう。
今回はルメール騎手からD.レーン騎手へと乗り替わりとなり、前走に引き続き鞍上がテン乗りの騎手となります。テン乗りでダービーを制した騎手は1954年のゴールデンウエーブ以来出ておらず、半世紀以上に渡ってジンクスは継続してきました。今回は初来日の若手オーストラリア人騎手でダービー出走経験なしという、これまた異例のケースで臨みます。
25歳の若手外国人騎手が初来日でダービーを制覇するなんてことがあり得るのか?と疑いたくなってしまいますが、レーン騎手はすでにテン乗りのノームコアでヴィクトリアマイルを制しており、調教師らの注目度も高く、良馬が集まっている現状からも調教師間の評価は高いと見て良いでしょう。実際、レース運びの上手さはルメール騎手に引けを取らないモノを持っており、代役の重責を完璧に果たしております。
昨今は実力派の外国人騎手が国内の重賞をかっさらっていくケースが増えておりますし、中央所属のルメール騎手やM.デムーロ騎手はすっかりトップジョッキーの仲間入り。世界で戦ってきた外国人騎手の実力をまじまじと見せつけられているのが現状です。ローテーションにおいても、G1だけを狙うローテーションは昨年のアーモンドアイでも見られ、近年は変則ローテーションも主流になりつつあるようにも思えます。
近年の日本の競馬界は良くも悪くも「実力至上主義的」な傾向になりつつあり、強い馬、強い騎手が従来の常識を次々に覆しております。時代は令和に入り、新時代に突入。過去のデータや傾向を参考にしがちな筆者としても、これからは過去や数字に囚われすぎないよう予想をする意識をより強く持っていきたいところですし、競馬の「人情主義的」なところも好きであった筆者としては、「騎手」と「馬」はセットで応援したいという気持ちがあるものの、近代の競馬の傾向からすると、実力をいかに早く見抜いて資金を投じるかが馬券を検討する際の重要なポイントとなっていきそうです。テン乗りでも実力のある馬と騎手なら、素直に重い印を打っていきたいと思います。
人馬ともに実力派として注目されるサートゥルナーリアとレーン騎手のコンビは、果たして令和元年ダービーでどんなパフォーマンスを見せてくるのか。期待が高まります。