近年人気薄の好走例が目立っている安田記念。今年は圧倒的な強者アーモンドアイと、マイル重賞で負け無しのダノンプレミアムが有力視されているが、穴馬にも付け入る隙きはあるのだろうか?
今回注目している穴馬は「ロジクライ」だ。
マイルG3・2勝の実績があり、今回は前走の京王杯スプリングC・3着から駒を進めてきた。G1は昨年のマイルCSで14着、2走前の高松宮記念で8着と結果を残せていない。今回集まったメンバーの実績や格を考えれば、鞍上武豊騎手の人気をもってしても伏兵扱いが予想される。
ただ、条件だけで見れば今回はかなりの好条件が揃っている。
東京コースは【2-0-1-0】と相性は良く、高速馬場適性も高い。先行できる脚質も今の東京の馬場には合いそうだ。もともとマイルを主戦場としていた馬だったが、今年は阪急杯で1400mに距離短縮し、その後も1200→1400mと短距離路線でウロウロ。今回は再度距離延長ということでローテーションに一貫性が見えないのは少々ネックだが、キャリア5勝全てはマイルでのもの。本来ロジクライが得意とする舞台に戻ってきたのは好材料と言えよう。
父はハーツクライで、産駒は東京コースで多くの実績を残している。安田記念においては昨年の3着馬スワーヴリチャードや、2014年の勝ち馬のジャスタウェイなどがおり、血統的な魅力も大いに感じられる。
前走の京王杯スプリングカップでは先行策からジリジリと伸びきれずもしぶとく3着は確保した。序盤は比較的ゆったりと入り、後半は持続力勝負で粘るという競馬だったが、安田記念のメンバーが相手だと同じ展開となっても楽ではないだろう。今回はアエロリットが逃げ馬候補としているので、理想は同馬を意識した前目の位置からのスムーズな競馬だ。アエロリットの出方とペース、枠順によるところも大きいが、内枠を引いて前目でロス無く立ち回る競馬ができれば、かなり良い勝負ができるのではないだろうか。後ろがけん制し合うパターンもあるし、今の馬場もこの馬に味方してくれそうだ。
鞍上は武豊騎手へ乗り替わり。安田記念は1990年にウオッカで勝利して以来馬券に絡めていないが、ペース配分は非常に上手い騎手で、ロジクライでどんな競馬を見せてくれるのかも楽しみだ。
1週前追い切りは武豊騎手を背に坂路4ハロン50.2-36.2-12.3秒。この日の一番時計をマークしており、上がり目は十分。レース数は使われているが、状態について悪い印象はない。色々と条件が噛み合わないと厳しいとも言えるが、ここはぜひ穴で狙ってみたい1頭だ。