春の東京開催もそろそろ終盤に差し掛かろうかという時期。秋の中距離路線を目指す馬たちが集まる一戦としても注目される「エプソムC」が9日、東京競馬場で行われます。今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしてみたので、各馬を考察してみたいと思います。
ミッキースワロー(牡5、菊沢隆徳厩舎)
2017年のセントライト記念を制してから、2000m以上の中長距離路線を主戦場としてきたミッキースワロー。G1戦線では苦戦しており、前走の新潟大賞典で初のG3に出走し2着に入選し、久々の馬券圏内を達成。今回はさらに距離を1F短縮して1800mのG3に挑みます。1800mは3歳の夏に1000万下を一度出走しており、3着に入選の経験あり。同馬の武器は何と言ってもキレ味抜群の末脚。ジャパンCでは後方の大外から上がり最速の脚で一気に進出し、5着に善戦。東京の1800mはゆったりと流れて瞬発力勝負になることが多いですが、キレ味が生きる舞台のここは条件も良く、メンバー的にも上位の存在と言えるでしょう。
プロディガルサン(牡6、国枝栄厩舎)
2014年のセレクトセールで2億円近い値で取引された良血で、血統的背景を思えばいつ重賞を勝ってもおかしくない馬ですが、2歳時は東スポ杯2歳Sで2着、3歳時はセントライト記念で3着、4歳時は東京新聞杯で2着と毎年重賞で善戦こそするものの、重賞タイトルになかなかありつけないプロディガルサン。昨年5歳時は自己条件で奮闘し、今年やっと重賞戦線へ戻ってきました。近3戦はオープンで連続3着とあともうひと押しが欲しいところですが、いずれも異なる競馬場で好走している点は高評価。今回の舞台となる東京の芝1800mは「0-2-1-0」と3着内は100%。復活Vにはベストの舞台と言えるでしょう。
ソウルスターリング(牝5、藤沢和雄厩舎)
言わずとしれた2017年のオークス馬ソウルスターリング。3歳秋から牡馬混合で崩れ、4歳で牝馬路線に戻すもここでも苦戦しており、近年は凡走が続いております。昨年夏のクイーンSでは何とか粘って3着に入選し復活の兆しを見せますが、その後の府中牝馬S後に骨折が判明し、止む無く休養へ。今年は復帰初戦のヴィクトリアマイルで武豊騎手と初コンビを組み、再度復活を試みますが9着に敗退。ただ、レースは超高速馬場の影響もあってか想定外の速さのレコード決着。ソウルスターリングも直線半ばまでは踏ん張っており、鞍上の武豊騎手も「復調の兆しはありました」とコメント。瞬発力より持続力のある馬なので、前走のような展開では致し方のない結果だっと言えるでしょう。復帰2戦目となる今回で、ようやく復活Vを果たせるか。叩き2戦目の上積みにも期待です。
他にも、目下2連勝中のソーグリッタリングや、マイルCS・10着ぶりとなるエアスピネルといった秋への飛躍を目指す有力馬が揃い、様々な思惑が絡み合う一戦となりそうです。エプソムCは6月9日(日)、東京競馬場の11Rで実施。発走時間は15時45分の予定。