昨年夏は札幌のクイーンSで3着に好走し復活の兆しが見えたかに思えたが、次走の府中牝馬Sは10着と大きく崩れ、レース後には骨折が判明し、休養を余儀なくされたソウルスターリング。
今年初戦のヴィクトリアマイルでは、武豊騎手と初コンビを組んで再度復活Vを試みるも、レースは超高速馬場の影響もあり想定外の速さのレコード決着となった。レコードが出るような高速馬場よりは、パワーを要する馬場のほうが持ち味を生かせるソウルスターリングにとっては厳しい競馬となってしまい、結果は9着と惨敗だった。
前走は展開的に厳しかったと言えるが、2走前の府中牝馬Sはスローペースで先行から早めの仕掛けと、非常にソウルスターリング向きの展開であった。直線も最内から進出して前も空いていたが、伸びずにズルズルと後退していき10着に終わった。
3歳時の強さは今や見る影も無く凡走続きで、早熟と判断するファンも少なくない。ただ、父のフランケルや母スタセリタは使っていって良くなっていった馬ということもあるので、精神面が原因の可能性も高い。府中牝馬Sの内容からも、衰えというよりは馬に走る気がないといった方が個人的にはしっくりくる。
牝馬クラシックを盛り上げてくれた馬なだけに、絶対女王の強い走りがもう見れないのはファンとしては残念だが、精神面が原因なら早熟よりはまだマシとも言えよう。もともと能力が高いのは誰もが知るところ。馬が走る気にさえなってくれれば、今年のエプソムCのメンバーが相手なら楽に上位争いを演出できるはず。
高速馬場が続いていた東京の馬場も開催終盤となり、週末は雨の予報ということで当日はソウルスターリング向きの馬場となる可能性も高い。また、2015~2017年は3年連続で逃げ馬が馬券に絡むなど、長い直線の割に逃げ・先行馬の好走が近年は目立っている。今年は明確な逃げ馬も不在で、先行力のある同馬にとっては好条件となる。条件好転となるここは気持ちを切り替えるには絶好の舞台と言えるだろう。
鞍上の武豊騎手は前走後、「この馬にとってはタイムが速すぎた」と敗因を指摘しつつ「復調の兆しは見えてきましたよ」と復活劇も期待させた。2017年のオークス以来、勝ち星をあげれていないソウルスターリングが、2年ぶりの美酒を浴びるか。楽しみな一戦となりそうだ。