いよいよ春のグランプリ「宝塚記念」が開催される。昨年はファン投票でトップ10にランクインした馬のうちたった3頭しか出走をせず回避ラッシュが続いたが、今年は5頭が出走を予定しており、ひとまず出揃った格好。今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしてみたので、各馬を考察してみたい。

キセキ（牡5、角居勝彦厩舎）

始動戦の大阪杯では番手から進めて2着に善戦。昨年はジャパンCで2着、天皇賞秋で3着とG1戦線で活躍したが、菊花賞以来勝ち星をあげられておらず、そろそろ善戦マンは卒業したいところ。昨年の宝塚記念は後方からじっくり構える競馬で、直線では馬場の良い内を選択するが、馬群を捌ききれずに8着になだれ込んだ。昨年秋から川田騎手とのコンビで逃げる競馬を覚え覚醒。前走は逃げに拘らない競馬で結果を出しており、脚質にも幅が出た。今のキセキなら昨年とは違った競馬を見せてくれそうだ。

レイデオロ（牡5、藤沢和雄厩舎）

今年はUAEのドバイシーマクラシックから始動し、6着敗退。普段は後方からの競馬だが、2コーナー付近でハミを噛んで行き、まさかの先頭でレースを引っ張るかたちとなった。ゆったりとしたペースで運ぶも早々に力尽き、最後はズルズルと後退して6着に敗れた。気になるのはドバイ遠征の疲れ。昨年は遠征後は疲れが抜けず、秋まで休養した。ただ、宝塚記念は距離適性的にも2200mはピッタリで、有馬記念はブラストワンピースの2着に敗れたものの、力のいる芝をこなしており、阪神の馬場も合う可能性が高い。ドバイシーマクラシック以来となるだけに状態はカギだが、疲れさえなければ最有力。

リスグラシュー（牝5、矢作芳人厩舎）

今年は始動戦の金鯱賞で2着に善戦し、2戦目は香港のクイーンエリザベス2世Cでも3着に善戦。持続力のある末脚を武器に中距離戦線で戦ってきた馬で、瞬発力よりも長くいい脚を使う持続力勝負になりやすい宝塚記念は向きそうだ。あまり器用さがある馬ではないので、あまりに遅すぎるペースになってしまうと厳しいなど、展開や流れに左右されやすいところがある。ただ、出し切れる展開になれば高いパフォーマンスを引き出せそうだ。香港遠征帰りに、テン乗りのレーン騎手とのコンビなど、判断が難しいところもいくつかあるが、崩れることは少ない馬故、ここでも好勝負が期待できる。

他にも、今年の大阪杯を制したアルアインや、重賞で2着4回のシルバーコレクターのエタリオウなど、豪華なメンバーが揃った今年の宝塚記念。新時代の宝塚記念の幕を開けるのは、果たしてどの馬か。宝塚記念は6月23日（日）、阪神競馬場の11Rで実施。発走時間は15時40分の予定。