現代日本で競馬を語る上で絶対に外すことのできない存在「武豊」
全盛期に比べると勝ち星は減りはしたものの、その存在感は未だに衰えることはありません。むしろいっときの低迷期よりは復活しているのではないでしょうか。
「平成の盾男」の異名の通り、天皇賞(春)をキタサンブラックで制すると続きざまに、かしわ記念をコパノリッキーで優勝。G1を立て続けで勝利いたしました。とは言え天皇賞(春)の勝利はディープインパクト以来10年ぶり、コパノリッキーもここ3走では馬券に絡めず低調に見えていたところからの復帰であり、武豊自身の登り調子も間違い無しでしょう。
武豊騎手がJRAでデビューしたのが1987年、そこからはや29年が経ちました。私などは競馬の思い出で一番古いものと言えば子供の頃にテレビで見たオグリキャップと武豊騎手のコンビ。後々に調べてみたら2度しか騎乗していないことに驚きました。それもすでに26年前。ずっと第一戦で活躍する武豊騎手ですが、今年もまだまだ活躍が続きます。
ラニの米国三冠挑戦
初戦のケンタッキーダービーを9着に終え、予定では三戦目のベルモントステークスに行くはずだったものを、間隔の調整などから二戦目のプリークネスステークスまでも挑戦することとなりました。プリークネスSは5月21日、ベルモントSは6月11日の開催です。
日本からの米国三冠への挑戦はスキーキャプテン以来ということもあり、出走・遠征経験のある武豊騎手はうってつけ、ということでしょう。そして、海外遠征はそれだけではありません。
エイシンヒカリ欧州遠征
昨年末香港カップで見事な逃走劇を見せたエイシンヒカリ。今年は欧州への遠征からスタートいたします。まずは5月24日の仏イスパーン賞、そして6月14日の英ロイヤルアスコット・プリンスオブウェールズステークスを予定。
それぞれ、非常に夢のある話題ではありますが、全て一緒くたで考えると、武豊騎手の異常な過密スケジュールに気が付かれるかと思います。
5月21日にアメリカで、24日にはフランスでレースをします。同様に6月も11日にアメリカで、15日にはイギリスです。中日があるとはいえ、体調に影響がないとは言い切れないのではないでしょうか?しかも、単なる観光ではなく、それぞれが大レースへの出走という重責を負ってのスケジュール。
これほどの過密スケジュールを見ると、武豊が頼れる男であるというのも何よりですが、他に頼れる人がいないということを懸念します。オルフェーヴルの凱旋門賞挑戦では主戦騎手池添騎手が悔しい思いをしたというのは記憶にあたらしいことと思います。
今回のラニ・エイシンヒカリはどちらも主戦武豊騎手であるため、わざわざ他の人に譲る、というのはまた違う話にはなりますが、どうか武豊騎手以外にも、こういったチャンスがめぐることを期待しております。