函館競馬が終わり、今週からは札幌競馬が開幕。開幕一発目の重賞は牝馬限定のG3「クイーンS」だ。昨年はディアドラ、一昨年はアエロリットが優勝し、近年はG1馬が活躍している同レース。例年レベルの高いメンバーが集結する「夏の女王決定戦」だが、今年は一体どんな馬が揃ったのか。今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしてみたので、各馬を考察してみたいと思う。
ミッキーチャーム(牝4、中内田充厩舎)
昨年は秋華賞で2着に好走し、今年は阪神牝馬Sを優勝し重賞初制覇を達成。前走のヴィクトリアマイルでは高速馬場に泣き8着に敗れた。夏の北海道は昨年函館を2戦、札幌を1戦しており全て勝利している得意な舞台。小回りの札幌コースは先行力がある同馬にとって有利になりやすいだろう。長距離輸送だとテンションが上がるタイプだが、滞在競馬の北海道なら良い状態で走れる可能性は高い。力もあり洋芝もこなせて、先行力には粘り強さもある。メンバー的にもここは上位の存在。
フロンテアクイーン(牝6、国枝栄厩舎)
昨年の2着馬、フロンテアクイーンは今年も参戦。前走のヴィクトリアマイルは15着に敗れたが、2走前の中山牝馬Sを制し、6歳にして重賞初制覇を達成。中山、福島、札幌など、右回りの小回り1800mでの好走が多く、昨年2着に好走しているように今回の舞台はベスト条件。比較的どんな条件でも走れる総合力のある馬なので、大きな不安要素もなく、馬券にも組み込みやすい1頭。昨年もG1馬のディアドラやソウルスターリングを相手に五角以上に戦えており、G1馬のいない今年は存在感を発揮しそうだ。
サトノガーネット(牝4、矢作芳人厩舎)
前走の五稜郭S、2走前の三田特別を制し、2連勝中と波にのるサトノガーネット。前走の五稜郭Sは函館の2000mで、スローペースで前残りが優勢という展開でも、後方から進めて3~4コーナーから早めに動いて快勝する強い内容。小柄な馬だが終いの脚はしっかりしており、近走は走りも安定してきた。前走手綱を握ったC.ルメール騎手が「もう少し距離は長い方が良い」と言っているように、末脚は瞬発力よりも中距離向きのバランスが強く、1ハロンの距離短縮となるここは末脚の使い所がカギとなりそうだ。
他にも、前走の中山牝馬S・2着のウラヌスチャームや、前走のマーメイドS・3着のスカーレットカラーなど、中距離路線で活躍する牝馬が揃った。クイーンSは7月28日(日)に、札幌競馬場の第11Rで実施。発走時間は15時25分の予定。