秋の阪神競馬2週目のメインは、秋華賞トライアルの「ローズS」です。昨年は春二冠の上位馬がこぞってトライアルを使わずに直行し、アーモンドアイがそのまま優勝し史上5頭目となる牝馬三冠を達成。前哨戦を使わないケースが増えてきておりますが、昨年のローズSの勝ち馬カンタービレは秋華賞で3着に入着しておりますし、やはり秋華賞を占う上で見逃せない一戦と言えるでしょう。ということで、今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしてみましたので、各馬を考察してみたいと思います。

ダノンファンタジー（牝3、中内田充厩舎）

今年の始動戦のチューリップ賞を制し、重賞3連勝と波に乗っておりましたが、桜花賞で4着に敗れ連勝はストップ。続くオークスでは距離が長すぎたか届かず5着に敗退。速いペースのオークスで5着なら、1800mでは力を出し切れそうで、ここは条件好転。近2戦が高速馬場だったこともあり、高速過ぎる馬場も良くない可能性もありそうです。今回も開幕週の馬場ということで軽い馬場での開催が濃厚なので、展開の予想にも力を入れたいところです。気性面の課題もまだある馬なので、このひと夏でどれだけ成長したかも見ものです。

ウィクトーリア（牝3、小島茂之厩舎）

2走前のフローラSを勝利し、重賞初制覇を果たしたウィクトーリア。前走のオークスでは4着に敗れましたが、厳しい流れの中で15番手とかなり後方ながらもしっかりと脚を溜めて3着争いまで食い込み、4着でも見せ場はたっぷり。今回は初の阪神コースですが、脚質的には相性の良さそうなコース形態でもあり、期待感の方が大きいと感じるファンも少なくないでしょう。あとは前走、前々走と出遅れも目立っているので、スムーズなゲートも課題としてあります。この後の秋華賞を考えると前目で競馬も意識したいところです。

シゲルピンクダイヤ（牝3、渡辺薫彦厩舎）

前走のオークスでは12着と大きく崩れましたが、チューリップ賞と桜花賞ではともに2着に好走したシゲルピンクダイヤ。武器はなんと言っても切れ味抜群の鋭い末脚。チューリップ賞ではダノンファンタジーを上回る末脚で同馬に先着。オークスではダイワメジャー産駒ということで懸念されていた通り、やはり距離が長すぎました。今回は得意の阪神コースに戻り、距離も1800mなら脚は溜められるでしょう。慣れた阪神なら気性の難しさも解消されそうで、全体的に条件は好転。巻き返しが期待されます。

他にも、秋華賞馬のスイープトウショウを母に持つスイープセレリタスや、桜花賞5着のビーチサンバなど、今年も豪華なメンバーが集まりました。ローズSは9月15日（日）に、阪神競馬場の第11Rで実施。発走時間は15時35分の予定。